第139話

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2021/12/02 13:06





めめの部屋に入るとすぐに抱きしめられた



目黒「ごめん」



それから、首に顔を埋めるように抱きしめる



『全然、大丈夫、』



私がそう言えば


体を離して私をベットに座らせてくれた



目黒「飲み物とってくるね」



それから、部屋のドアが閉まる


めめが出ていったあとのドアを


ぼーっ、と見つめた


こんなの初めてだった、


ずっと、男として生きてきて、


女、なんて自分を素直に出しただけで


こんなにも、ぐちゃぐちゃに、


絡まって、ややこしくなるのかと、


少しだけ、悲しかった


さっきの出来事は事実なのに


翔太のことを攻めることは出来ないし


こうなったのだって、私が女だってバレたからだ



目黒「水でよかった?」



それから、部屋にめめが入ってくる


机の上に2つコップを置いたあと私の隣に座る



『めめ、』

目黒「なに?」

『翔太のことなんだけどさ、』

目黒「うん」

『責めないであげて欲しいの』



悪いのは私だ。


ちゃんと隠し通していれば、


こんなこともなかったし


翔太が全部悪いわけじゃない



目黒「なんで翔太君のことをそんなにかばうのか、俺にはわかんない」



目が合って、そういうめめに



『私にもわかんない、』



なんて曖昧な返し方をする



目黒「あなたはさ、」

『うん、なに、』

目黒「翔太君のことがすきなの?」



なんて返すのが正解なのか正解だろう、


答えに迷う時点で、もう分かりきっているけど


言い切ってしまえば、


倒れ掛けが、完全に倒れていく気がした


否定したくなくて


でも、こうゆう関係になるのは


絶対にダメだって言い聞かせては


どこか悲しくなる


こんなことになるまで隠してること自体ダメなのに


自らそうゆう感情を抱いてもいいのかと


自分に問いかける度に


「全然にダメ」


なんて言う答えになる



『好きじゃないよ』



声を震わせながらもそう返した



目黒「嘘つき、」



そう言って笑う顔はどこか悲しそうだった


また私を抱きしめてから、そっと離す



目黒「あなた」

『ん、?』

目黒「今日は一緒に寝よ」



そんなめめに



『うん、いいよ、』



なんて返す私は欲張りなんだろう


嬉しそうに笑いながらベットに横になるめめ


おいで、なんて言われ壁側に行き私も横になる


少し狭いけどこれぐらいが安心したりもする



目黒「あなた」



とまた名前を呼ばれめめに背中を向けたまま



『なに、めめ』



と返す



目黒「やっぱり蓮がいい、」



そんな彼が少しだけ可愛かった



目黒「だめ、?」



うしろから聞こえてくる声に



『おやすみ、蓮』



とだけ返せば


後ろから抱きしめられ



目黒「やっぱ、翔太君に譲れないわ」



なんて笑って、そんなことを言うんだ



目黒「おやすみ、あなた」



そんな蓮の匂いに包まれたまま目を閉じた









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