第91話

89.
15,806
2021/11/21 17:20





さっきから何を言っているかも分からない翔太に


適当に相槌を打ちながら


シェアハウスに向かう


俺の方が身長が小さいから


背負うことは出来ないが


翔太の手を自分の肩にまわし支えながら


道を歩く



渡辺「しゅう」

『なに、』

渡辺「なんでもねー、」

『なんだよっ、てか酔いすぎ』

渡辺「そんな酔ってないってぇ、」

『酔ってるから』



そんな、グダグダな会話をしながら


シャアハウスの玄関を開ける



阿部「え、、?」



入った瞬間


廊下にいた阿部ちゃんに驚かれる



『めっちゃ酔ってる、部屋で寝かせてくるわ』



そう伝えて階段を上る


そのまま翔太の部屋へ行き


ベットの上に寝かせる



『おやすみ、翔太』



それだけ言って部屋から出ていこうとする


俺の腕を


急に翔太が掴む



『えっ、なに?』



振り向いてそう聞く俺に



渡辺「ここ、」



なんて言って自分の横を叩きながら


来い、なんて言ってくる



『いや、一人で寝てよ』

渡辺「たのむ、」

『無理』



そんな翔太を無視して


部屋から出ていこうとする俺の


腕を掴んだあと


そのまま引っ張られる


気づいたらベットの上で


翔太に後ろから抱きつかれていた


さすがにいろいろとやばいと思いながら


翔太の手をほどこうとするけど


酔ってるくせに、ビクともしなかった



『ねえ、翔太離して』

渡辺「むり」

『俺動けねぇから』

渡辺「やだ」



そんな翔太は


俺の背中に顔をくっつけながら


スリスリと擦ってくる


それがなんだかくすぐったくなってきて



『ちょっ、翔太っ、くすぐったいから!!』



笑いながら、翔太の腕を叩いていると


ドアの開く音がして


そのまま阿部ちゃんが入ってきた









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