こんなやりとりを見ていると、今更ながらに少しずつ不安になっていく雪村だった。
こうして、雪村千鶴は新選組におかれることになった
文久四年一月中旬ーー
雪村が新選組の屯所で暮らし始めてから一週間が過ぎようとしていた。
輪廻が部屋の襖を開けると清々しい朝の空気が流れ込んで来た。
空は厚い雲に覆われ、吹く風もいつもより強かった。
そう言い、今日は輪廻が見張り役だったので雪村のところに向かった。
雪村の部屋の近くまで来ると、襖が開いていることに気が付いた。
そして、雪村の声が聞こえた。
そして、雪村は小さくため息を吐いた
それから雪村は目をつむり考えているようだった。
雪村は自分の処遇が決まった日を思い出していた。
土方の言葉は理にかなって納得できるものたった。
それに、新選組のことを優先しつつ、雪村と雪村の父、綱道の安全を考えている。
それを考えると、雪村は、従わない理由はなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!