第25話

認めてんのか...?
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2021/03/05 05:59
てつや「何でだ......」
りょう「どうした?」
ぷるぷると新聞紙を握りしめながら震えていたてつや
りょうはてつやの一応怪盗としての相棒なのでてつやの家で寛いでいた所だった
てつや「俺のことが新聞に書かれてないなんてこと今までなかったのにぃ!!!!」
その場に崩れ落ちながらてつやは拳を床に打ち付けた
りょう「新聞...」
怪盗をしていると、予告状を出したり宝を盗んだりすると新聞やテレビに出ることがある
どうやら今回は載らなかったみたいで、そのせいでてつやは落ち込んでいた
てつや「屈辱だ...こんなこと、しゃちょーの方を取り上げて、りょうのことは載ってるのに俺は載ってないなんて」
りょう「俺載ってんだ」
新聞を読まないりょうは、テレビで少しだけ怪盗Rで取り上げられたのを見たくらいだった
なんか、嬉しいような...微妙な感じ
てつや「下っ端の怪盗で相棒のお前だけが載ってるとかまじであり得ねぇ、俺だって有名の怪盗ですー...」
ぶつくさ文句を言っているてつやの言葉に目を見開いた
りょう『相棒って、認めてくれてんのか...』
この間、虫眼鏡が来てしまったが、その前は良い感じの雰囲気だったし、てつやが相棒って言ってくれて、その事が新聞に載れたことよりりょうは嬉しかった
てつや「?何だ、やけに機嫌いいな...そんな嬉しかったのか新聞載るの」
りょう「別に」
てつや「はぁ、仕方ない...今じゃ新しい怪盗に目が入ってんだろうし」
りょう「新しい怪盗?」
てつや「知らない?そりゃそうか、成り立てだもんな」
てつやは握りしめぐしゃぐしゃの新聞をりょうに見せた
てつや「新しい怪盗に、ちょー頭の切れる探偵が現れたらしいんだ、今じゃその話で持ちきりみたいだぜ?」
りょう「ふーん...」
見せられた新聞をりょうはまじまじ見つめ、そう小さく声を漏らした
りょう『新しい怪盗、ね...』
興味ない、俺が興味あるのは...
てつやを見つめ、その視線に気づいたてつやが顔を上げる前に反らした
そして再び新聞に目を通して、じっくりと読み始めた






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