第4話

お宝ゲット!!
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2020/12/14 13:24
てつや「着きましたよー○△□ビルに」
目的地にたどり着いたてつやは、はるか高いビルを見上げる
猫が一鳴きしたのを聞いて、顎の下を撫でる
そして正面には警察がわんさかいた
てつや『やっぱ張り合いがないと面白くねぇもんな!』
さすがに正面から強行突破は無理なので、警備が薄い裏手に、警察にバレずに回る
そこで変装を解き、スーツに着替え直す
髪の色も戻した
仮面と帽子も忘れずに装着する
てつや「裏口はここか、鍵...はかかってるか、壊すのは気が引けるな、面倒だけど、ここは大人しく...」
内ポケットから細い針金を何本も取り出して、ニヤっと口角を上げた
てつや「ピッキングしまーす」
鍵穴に針金を差し込んで慣れた手つきで鍵を開けた
てつや「簡単だな、もっと頑丈なものにしなきゃダメだよ」
鍵が開いた裏口のドアを開けて、ビルの中に入る
猫がスルッと中に入っていて、先を歩いていく
てつやは警戒して様子を見ながら通路を歩いた
てつや「成る程、警備員とかじゃなく、基本的は赤外線や監視カメラとかでここを守っているのか」
ひょいっと張り巡らされている赤外線を難なくかわす
猫も同様
監視カメラには自分が写らない最低限の場所を歩く
てつやはYoutuber、カメラのことはだいたい見ればどこが死角か分かる
てつや「おっと、危ない!」
人の気配を感じ、咄嗟に隠れた
警備員だ
てつや『ん?あれは...』
てつやは警備員の腰についてる物を見つけ、笑みを溢した
てつや『ラッキー、何かしらに使えるはず!』
警備員は後ろを向いている
気配を悟られないように、足音も立てずに背後に忍び寄った
てつや「ごめんなさいねおにーさん」
てつやは警備員が振り返るより早く、腰についていた物を取って、近くの階段をまたこれも足音を立てずかけ上がった
てつや「マスターキーは嬉しい、だいぶ楽になるぞ、行こう猫ちゃん」
目当ての宝は二階の奥の部屋にある
二階の通路も赤外線はあるので、油断せず掻い潜る
宝が保管されている部屋の前まで来て、やはりマスターキーは必要だったことに気づくと俺って運が良い!と思いながら、部屋のロックを解除する
部屋の中には赤外線は張られていない
てつや「あれが、今回のお目当てのお宝か」
部屋の中央に無防備に置かれている目的の指輪、ムーンプリンセスの指輪だ
すると、てつやが着けていた腕輪が少しだけ光った
てつや「ん?今腕輪が...」
てつやは腕輪を見るが、もう光っていなかった
てつや『なんだったんだ、まぁいいか...さて、指輪を盗ませてもらいますよー』
ショーケースの中に入っている指輪は、どうやらセキュリティを解除しなければ手に入らないようだ
猫が鳴いて、どうするの?とてつやを見上げた
てつや「大丈夫だよ猫、俺、一応ざわくんより頭良いしね!」
セキュリティを解除するパネルを操作する
こちらも慣れた手つきだ、まだ半年しか怪盗をしていないというのに
これが自分のじいちゃんに習ったテクニックの一つでもある
そして、てつやは頭も物凄く良いのだ
これを言っちゃ悪いが、動画の頭の悪さやテストの点とかは全部ヤラセ、てつやのIQは普通に虫眼鏡なんかより上だ、もちろん東大生やハーバードの学生よりも
学生の頃のテストなんかは、あまり目立ったりするのが嫌だったてつやがわざと低い点を取っていた
理系の勉強だって余裕に出来る
それもこれも怪盗である祖父のお陰
てつや「子どもの頃からじいちゃんに死ぬほど勉強やらされたり本読まされたよなぁ...まぁそのお陰ですげぇ知識はついたし、結果オーライ」
あくまで、自分はあまり頭が良くないアピールでYoutuberやっていた方が面白いと思ってやっているのだ
てつやの頭の回転が早い集のてつやなどが、ほんとのてつやの頭脳、たまに素が出るから困っているけど、そんくらいならいいかな?と思ってる
てつや「よしっ、解除出来た!!」
思い出に更けっていたら、ついにセキュリティを解除した
ショーケースを外し、中にある指輪を丁寧に掴み、掲げた
てつや「ムーンプリンセスの指輪、盗ませてもらうぜ」
指輪を懐にしまい、てつやが部屋を出ようとしたときだ
てつや「誰だ!!」
視線を感じ、後ろを振り返るが、誰もいない
てつや「...気のせいか、確かに誰かに見られてる気がしたんだけどな...」
いないならしょうがない
てつやは猫を連れて部屋を後にした
??「あーあ、先越されちゃった...まいっか、てっちゃんだし」
てつやが出た部屋の中に、もう一人別の人物が隠れていた
あながち視線を感じていたのは間違っていなかった
長身の赤色が似合う男
茶色に近い髪型で、赤色のシルクハットを被り、赤いマントを翻して、もう何もないショーケースを見ていた
??「今度動画一緒に撮るときにでも、ご飯奢ってよね、さて、俺も帰るか、もうここに用はないし、みんな待ってるだろうし、あと編集終わってないし...」
少し顔を歪めながら、赤色の怪盗も部屋を後にした
部屋を出るときにシルクハットが引っ掛かって、ダサかったのは彼だけの内緒だ








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