第30話

対決!!怪盗VS探偵の初戦
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2021/07/12 10:25
てつや「かかってこいよ、相手してやる...」
てつやは猫を先に逃がし、すぐに相手に迎えるよう構える
挑発するような言い方は有名探偵の気分をイラつかせる
??「舐めやがって、.....」
てつや「あんた、名前は.....?」
探偵、じゃあ失礼だよな
??「...レッド、一応世間じゃそう言われてる」
てつや『まぁ、赤い服着てりゃそうなるわ』
名前もわかった、ならやることは決まっている
長いは無用だし...さっさとやっつけるをつけるとしますか
こんなやつには負けない、てつやは帽子を深く被り、相手を見据え、拳を強く握る
探偵レッドも構える、その姿は生半可のモノじゃない
型がしっかりとしていた、成る程ね
てつや「悪いけど...」
あんたに捕まる訳にはいかない
そう呟いたてつやが地面を蹴り、勢いをつけて反動で横蹴りを探偵に噛まそうとする
しかしそれを寸でで避け、てつやから一歩離れる探偵も、地面を蹴り勢いをつける
てつやは体勢をすぐに立て直し、タンッと軽くジャンプをして探偵の頭上を飛んだ
レッド「っっ、!?」
驚いた探偵は上を向いたが、逆光で見えにくいが、怪盗Tが口角を上げ、弧を描くその口元を見て歯軋り
着地をして、てつやは探偵の顔面目掛けて足刀を食らわそうとしたが
それも探偵がスッと素早く手で受け止め、避けられてしまった
てつや「コイツっ、....」
レッド「舐めんなって言っただろ?だから...」
てつや「はっ、!?」
しまった、と足を戻そうとしたが強く捕まれていて動かせない
気がつけばてつやの右頬に拳が見えた
殴られるっ、てつやは力を入れてブンッと探偵の手から足を抜け出させ、避けようとした
だが少し遅かった、避けたとはいえ、かすった痕が残っていた
ツーッ、と赤い液体は垂れていく
てつや「やるねぇ...」
レッド「俺はお前を捕まえる気だからな」
小柄なくせに、すげぇ力を持って素早い身のこなし方...一体何者だ
てつや『少しマズイ...かな』
チラッ、と周りを確認する
人気はなく、戦っていられるがいつ警察が来るか分からない
早く決着をつけて帰りたいのに、...それに
てつや「2m先の草むらに拳銃を持つ誰か」
レッド「..........」
てつや「仲間だろう、お前の...俺には分かる」
レッド「...あぁ、俺の仲間だ......今日は二人しか連れてきてないけどな、サポート役としてはピッタリだ」
てつや「........ちっ、」
それはそれで厄介だ、仲間がいるとは思わなかったが、視界に入ったのはアイツの仲間らしき誰か
カラフルな衣装、目立つから止めた方が良いんじゃないか?
保護色くらい使っときゃ良いのに、どうやら頭が冴えるのはレッドとかいう探偵だけか
そんな色々な思考が頭に駆け巡っていたてつや
レッド「余所見してて良いのか?」
てつや「っ、?!」
横から聞こえてくる探偵の声
振り向くとてつやの顔に拳が迫ってきていた
避けられない、油断したっ...そう思って攻撃を食らうのを待っていると
??「よいっしょっ、!!!」
レッド「ぐっ、あっ、!?」
てつや「えっ、........?」
攻撃を食らうため、目を閉じていたてつやはゆっくり開いて、目の前の出来事に驚いた
探偵の顔面を思い切り横から蹴るのは、青い布で顔を隠していた同じスーツを着た男
てつや「っ、R!!!」
一瞬、そいつの名前を言いそうになるのを堪えて、仕事名を呼んだ
怪盗Tの相棒と自負する、怪盗R...りょうだ
探偵は顔面を蹴られ、ズザザッと横に倒れていく
レッド「ぐっ、....!!」
てつやも倒れそうになるのを堪えようとしたが、その前にりょうが腰に手を回す
てつや「R...お前」
どうしてここにいることを知ってんだよ
ほんの少し力を出しすぎた怪盗Tが目を細めて訴える
りょう「遅くなってごめん、少々厄介なことがあって...とりあえず逃げようか?」
コイツの不敵な笑みは、ほんとに気を抜かせる
質問を返せというのに.....
それなのに怪盗Tとして活動しているのに、つられてフフッ、と笑ってしまう
てつや『サンキューりょう...』
素直にりょうに体を預けたてつやは、他の仲間が自分のリーダーの負傷を助けにここに駆けつける前に、懐から取り出した拳銃を発砲
もちろん空砲だが、これは威嚇と同じ
二度と俺らに近づくなと言う意味も込めての、脅しだ
警察が来てしまうが致し方ない、今は相棒もいる
ポケットを探って、用意しておいた煙幕を叩きつけて怪盗二人はその場を去った



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