第23話

必死だからこそ気が抜けて
360
2021/02/15 02:18
??「ねぇ、お前ら何してんの?」
りょうてつ「「!?」」
聞き慣れた声に、二人は振り返る
てつや「え、ちょっ...」
りょう「虫眼鏡?」
虫眼鏡「路地裏なんかでイチャつくとは、りょうくんも油断ならないよね」
イチャつく、の意味は分からないがてつやはバッとりょうから離れ、虫眼鏡を見た
てつや「あはは!!別に何もしてねぇよ!俺とりょうが飯食いに行った帰りにさ、俺食べ過ぎて気持ち悪くなっちゃって、それでりょうに介抱してもらっただけだよ!!」
虫眼鏡「僕も誘ってよ、スーツ着てるってことはいいお店行ったんでしょ?ズルいなぁ」
てつや「ご、ごめんって...ほ、ほらいい店だったから予約俺とりょうの分しか取れなくて...」
虫眼鏡「ふーん...」
すらすら嘘が出てくるてつやはすごい
よくスーツを着てることを誤魔化せたな、とりょうは感心した
仮面はお互いに外してるし、帽子を被っていたのはてつやだが、脱いで叩きつけてたからほんとにいいお店にスーツ着て行ったみたいなことになっている
りょう「悪いな虫眼鏡、たまたまてつやが暇してたから気分転換にいいお店行こって誘ったんだ、でもコイツバカだから何でもかんでも注文して、帰ってる途中で挙げ句吐くとか言うから路地裏に駆け込んだんだよ、まじで焦ったわ...」
りょうも嘘に乗っかる
てつや「そうそうwwいやーありがとね、あと少しで吐きそうだったわ」
りょう「スーツにかけてたら殺したけどね」
さも何ともない顔で言いのける二人
ポーカーフェイスは怪盗にとって必要だ
相手に状況を悟られないように
元々小さい頃からポーカーフェイスを心がけているてつや、それに加え今一何もしてなくても表情が読めないりょう
虫眼鏡も疑ってないはず
てつや「所で、虫さんは何でここに?」
話題を反らすのもお手のもの
虫眼鏡「僕は明日の動画撮影の買い出し、丁度良いや、手伝ってよ」
てつや「おう」
虫眼鏡に肩を回し、歩き出すてつや
てつやの帽子を拾い上げ、持っていた袋に突っ込んだ
ネックレスがちゃんと内ポケットにあることを確認して
りょう「てか、」
何俺以外にそんなベタベタしてんのてつや
散々弱音吐いて泣いたくせにもうケロッとしてる
りょう『俺に頼るって言ったくせに...』
非常に腹が立つけど、虫眼鏡に正体バレなくて良かった
まぁ警察は撒いていたし...
この時、てつやとりょうは嘘をつくので精一杯で、虫眼鏡のことを甘く見ていた
何らかの細長い機器が、虫眼鏡のポケットに入っていたことも






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