第33話

消えた涙 side神崎舞
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2018/07/15 10:36
最初の1、2回は泣いたが3回目以降になると
泣くことは無くなった。
これが僕から涙が消えた理由。
毎日、殴られ僕の心は次第に潰れる。
完全に潰れたその時、僕は心の中にポッカリと黒い大きな穴が空いたような気がした。
蒼香と離れたのは6歳。
僕はまだ幼かったけど、家出をした。
自分の携帯、財布そして困らせてやる為に
お父さんのお財布も持っていった。
あいにく、通帳の番号等は知っていたために生活に困ることは無い。
服がボロボロになれば、買う。
身体が汚れてきたら銭湯に行けばいい。
洗濯はコインランドリーに行った。
夜は誰にも見つからないように森で寝た。
そして、続けること3年間。
ずっと歩いた僕は家からかなり遠くにいた。
そして、山に迷い込んでいた。
バッグに携帯を仕舞い、川に沿って歩く。
すると、突然降ってきた大量の雨。
スグに離れようとしたが、遅く僕は川に呑み込まれてしまい意識を手放した。











誰かに揺すられた感覚があり、目が覚める。
どうやら、運が良く河原に流れ着いたようだ
この時、柊翔と斗真が発見したらしい。
神崎舞
ん……
体が凄く熱い…熱出したかな……
倉持柊翔
あ、起きた。
龍田斗真
ね、夏稀さん!美琴姉ちゃん!
湊兄ちゃん!何か女の子が川に
いた!!
斗真が呼びに行き、3人が来る。
乙葉湊
女の子が川にいたって斗真、
大丈夫か?……ってマジか…
赤井夏稀
見た感じだとここら辺の子じゃ
無いみたいだけど…
日下美琴
わぁ!この子可愛くない!?
すると、柊翔が手を差し伸べた。
倉持柊翔
君、立てる?
神崎舞
!………ありがとう。
柊翔の手を掴み立ち上がる。
しかし、その瞬間。フラつきそのまま柊翔の方に倒れた。
倉持柊翔
わっ!……てか、熱っ!!
神崎舞
ご、ごめん……
赤井夏稀
熱出してるみたいだね…集会場
に連れて行こっか。
日下美琴
あ、さっきこれ見つけたんだけ
どこれって貴方の?
美琴が持っていたのは僕のバック。
神崎舞
そうです…
日下美琴
OK、じゃ、これも持ってこ。
赤井夏稀
それじゃ、戻ろっか。
僕を背負うと夏稀さんは歩き出す。
その後ろに柊翔達もついてきて、僕について話しているのが聞こえる。
倉持柊翔
それにしても誰だろ?
日下美琴
さぁ…てか、柊翔達くらいだし
9歳ら辺だよね?それなら、親
とかはどうしたんだろ?
乙葉湊
知らない。
僕は集会場の2階に連れて行かれた。
毛布を貸してくれてそれを羽織る。
頭がぼーっとして、体がだるい。
赤井夏稀
部屋の温度とか大丈夫?
神崎舞
はい…
どうやら、この夏稀さんって呼ばれた人が、子供の中でも年上の方みたいだった。
すると、湊と呼ばれた男子が大人の男性を
連れて来た。
乙葉湊
父さん、連れて来たよ。
赤井夏稀
ありがとう。
神崎舞
……。
こうして、僕は村のことを知った。

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