湊のお父さんは紙を持っている。
僕は家がある地域の名前を言う。
すると、二人とも驚いた顔になった。
バックを自分の方に寄せ、漁る。
見つかり運良く電源が入った。
着信履歴なら何百件も来ている。
僕はそれを全て無視していた。
電話帳を開いて手を止めた。
お父さんにかけるか、お母さんにかけるか…
…それとも……
僕の指は自然と『兄さん』を押していた。
呼び出し音が鳴り、ワンコールで出た。
携帯から耳を離して、夏稀さんを見る。
すると、夏稀さんが小声で…
携帯をスピーカーにして、夏稀さんに渡す。
夏稀さんが場所を話している。
すると、兄さんはとんでもないことを言った
そして、電話が切られる。
その後、少し会話すると僕は横になった。
凄いいきなりのことなんだけど…
まさか、この村に移住することになるって…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!