俺は家を出た。
走り少しでも遠くへ遠くへ。
左目は残念だけどもう使い物にならない。
肩から血は流れ続け、そろそろ気持ち悪い。
どうやら、ここまでみたいだ。
せめて、誰にも見られない場所で…!
森に向かって走っている途中、誰かが左側に
いるような気がしたが、それを気にしている
余裕なんか俺には無い。
森に入り、走り続ける。
すると、少し開けた場所に辿り着いた。
中央には巨大な木がある。
巨大な木には…ツリーハウスがあった。
何だあれ…
最後の力を振り絞りツリーハウスへ。
中は本が置いてあったり薄い毛布が置かれていたりしていた。
他にも確認しよう。そう思ったが…
俺はツリーハウスの中でそのまま心臓が停止した。
気付くと俺は真っ暗の中、道を歩いていた。
ここ何処だ…?
周りを見渡すも全てが黒く染まっている。
けれど、一歩一歩踏み出す度に体が心地よくなっていく。
このまま、歩けば皆がいるところにいけたりするのかな…
歩き続けると、門が見えてきた。
門の前には何故か美琴が立っている。
美琴はいつもの優しい笑顔で笑うと俺の体の向きを変えて背中を押す。
俺はスグに振り向いたが誰もいなかった。
行くか…
そして、俺は歩き出す。
美琴の言っていた通り、だんだん息が苦しくなってくる。
ずっとずっと、歩き続ける。
すると道の先に見えたのは…光だった。
俺は見えた瞬間、走り出す。
そして、その光に頑張って手を伸ばす。
ツリーハウスの天井が見える。
体を起こすと肩や頭に包帯が巻かれている。
小さい傷には絆創膏、目の応急処置もされている。
まさか、美琴が…?
スマホを取ると運良く充電が残っていた。
今は…26日の朝3時。
ゆっくりと歩き村に戻る。
村に戻ると、村を出る用意をした。
スマホの充電を集会場で待っている間、ふと
机に置かれているノートが目に入った。
中を見ると、舞が書いたものらしい。
最後は謝罪文で『本当にごめんなさい。』
と書かれていたので、『大丈夫だよ。』と
俺は書き込んだ。
スマホの充電が終わると俺は村を出た。
すると、杉山さん達がたまたまいて、俺は
保護されて他の人は行方不明とされた。
どうやら、1人になるまで終わるということが伝わっていたらしい。
俺はたまたま生き返っただけで勝者は多分、舞だと思う。
俺はスグに病院に連れて行かれて傷の処置を受けた。左目はもう見えない、と診断され、俺はこれから片目生活を送ることになった。
やがて、旅行に行ってた両親が戻ってくる。
それからは引越し、静かに生活をした。
ある日、お母さんが言ってきた。
『一人は寂しくない?』
まぁ、元から一人っ子だけど…
少し、つまらないという考えがあったので、
『うん。』と答えると俺はお母さんと孤児院に行った。
そこで、お母さんは
『一人ぼっちの子達は多いから新しい家族になりましょう。』
つまり、孤児院の子を引き取ろう。と言った
どうやら、一緒に過ごすのは俺が接しやすい方がいいらしく俺が探すことになった。
お母さんが院の人と話をしている間、俺は
孤児院内をさまよっていた。
今は外で遊ぶ時間らしく、みんなが庭に出ている。廊下から庭を見ていると…
…その中でも一人ぼっちの子がいた。
庭の隅で一人で絵を描いている。
周りの子達も仲間にする様子は無く、その子以外で遊んでいた。俺はその子に近づき横でしゃがむ。
俺は友紀ちゃんの手を引きお母さんのところに向かった。
そして、俺達に家族が増えた。
月日が経ち、DEATH GAMEに巻き込まれた時はかなり驚いた。
まさか、俺に2回目があるとは…って。
まぁ、そう言いながらも生きているからいいかもしれないって思うけどさ。
確かに話の中と同一人物。
左目には大きな傷痕がついていた。
台所から食事を終えた俺達の食器を片付けている舞ちゃんの声が聞こえてくる。
そう言って、斗真と友紀ちゃんは苦笑いを
浮かべていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。