俺は舞に近付く、軽く肩を叩くと舞は警戒
した様子で俺を見た。
舞はいつもの表情で苦笑いを浮かべた。
地面に、『さっきは何をした?』と書いた。
俺は頷き、歩き出す。
少しすると舞の耳は聞こえるようになった。
俺の家に向かい部屋に入ると疲れている舞はスグに眠りについた。
俺はさっき携帯が鳴ったことを思い出す。
携帯を開くと…
08/24 00:00
To:GM
title:DEATH GAME
それでは、運命の9日目のミッション!
〜ミッション〜
神崎舞は倉持柊翔を殺せ。
失敗の場合は2人に心臓麻痺の刑を与える。
俺が一番来て欲しくなかったミッションだ…
横を向くと、舞が寝ている。
あまり気にはしなかったが、一瞬髪の一部が光った気がした。
ミッションを考えていると俺はそのまま眠りについてしまった。
朝になるが俺達は大人しく部屋にいた。
舞は携帯が鳴った時は耳が聞こえなかった
みたいで携帯を確認していない。
何も考えずに時間だけが過ぎていく。
遂に夕方になり、俺はいつも通りの姿を見せながら内心はかなり焦っていた。
そして、夜。俺は行動に出る。
俺は舞の手を握り家を出た。
少し不思議そうな表情をしているが、俺には全てが思い出だから許してくれ。
だって、俺は……
……舞に殺されるつもりだから。
散歩として来たのは、響が落ちたあの崖。
ここは星空が良く見え、夏は特に綺麗だ。
俺は話しながら考える。
舞が俺を殺してくれる方法を。
考えた結果…したくないけど……
心の中で謝りながら言葉を並べる。
少し顔色を伺うとやはり、イラつきの視線に変わっていることが分かる。
そのまま、早く俺を…殺してくれ。
舞が言ったその言葉と同時に俺の体は浮いた
どうやら、響と同じ崖に突き落としたらしい
川にぶつかるまでただ単に上を見つめた。
その時、顔に水滴がついて、舞がこう呟いたような気がした。
そう思った刹那、俺は川に落下した。
川は激流、勢いづいて落下した俺は息を吸うことなんか出来ない。
斗真…舞冬さん、おばあちゃん…皆のところに俺も今…から…行く、よ………
そうして俺は目を閉じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。