優太の指は折られたが、結局は指を折ったということには変わりなく、あとは0時だけとなった。
舞は特に大きな怪我では無く、突然の衝撃で脳震盪を起こした。と診断が降り、そのまま舞は血が出た頭に包帯を巻かれ、家へと運ばれて行った。
警察は各家に警備をつけ、何か問題があったらいつでも言ってください。って。
何か問題があってから、報告したって遅いと思うんだけどなぁ…
〜19:21〜
軽い怪我と言っても心配だったので、斗真と二人でお邪魔させてもらおうと思い舞の家へ向かった。
ノックをして、少し待つと舞冬さんが来た。
そう言うとスグに俺達をあげてくれた。
俺達は2階に行き、舞の部屋へ入る。
舞の部屋は常に綺麗で物も全てきちんとした場所に置かれている。女の子っぽい部屋ではないけど…
部屋の半分に布団が敷かれ、そこで寝ている舞の寝息が聞こえる。
陸上競技のトロフィーやメダルが置かれて、その中には俺達のクラスの運動会の集合写真と四日前に撮った写真も飾られていた。
今の斗真の大声で起きたのか舞が薄らと目を開き俺達の方を見てる。
まだ眠いようで枕に顔を伏せている。
斗真が立ち上がり部屋を出て行く。
ふと部屋を見回したら、舞の携帯が置いてあるのが見えた。けど、携帯の場所は…枕元。
どうやって取ろうか…
そっと手を伸ばし静かに掴み手を戻す。
まだ寝惚け状態だったみたいだから、意外と簡単に取ることが出来た。
前に盗み見したパスワードを入れる。
さて、舞だけ無かった理由を探すとするか…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!