side:雪田
今年も花火大会がやってきた。
浴衣を着て大吾と見に行くことになっている。
ただ、集合時間を過ぎても大吾がこない。
花火開始1時間前に集合だったから時間に余裕はある。
いくら電話しても繋がらない。
私は大吾を探しに行くことにした。
大吾の家に行くと、お母さんがでてきた。
西畑母「あらあなたちゃん。どうしたの?」
なんて言う大吾のお母さんは目がとても赤く、
涙ぐんでいた。
雪田『あの!!大吾を探してて!知りませんか?』
西畑「大吾なら、浴衣を着てあなたちゃんの元へ行ったはずなんだけど。」
雪田『そうなんですか!ありがとうございます。』
入れ違いかな!?
私は1つ思い当たる場所があったので行くことにした。
そこは何かあった時に行く場所。
裏山の公園だ。
予想通り大吾はそこにいた。
雪田『なにしてんの??花火始まるよ?』
西畑「あ。あなた。ごめんなぁ。」
大吾が目に涙をいっぱいためて言うから、
何かあったのかな??
雪田『あれ??ミサンガは??』
私と大吾はおそろいのミサンガをつけている。
それなのに大吾はつけてなかった。
西畑「あぁ。ミサンガは家に置いてあるよ。笑」
雪田『そーなんや。』
どうして家に置いているのか、分からなかった。
西畑「ここから花火見ようか。」
雪田『もう間に合わんもんな。そうしよ』
西畑「ごめんな。あなた」
ドーーーンッ
花火が上がった。
綺麗な綺麗な花火だ。
西畑「あなたいつもありがとう。大好きやで。」
なんて今にも消えそうに言うから
あなたを強く抱きしめることしか出来なかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。