あれから5年僕は、16歳になっていた。
今では一人で生きている。
でも、安心して?
お父さんとお母さんはここにいるよ。
何を言ったって返事などしない。
わかってるけど、話したい。
「ねぇ、あの家の人知ってる?」
「えぇ、お子さんが可笑しいんですってね」
「それに、お父さんとお母さんは外に出てこないのよ!」
「もしかしたら……」
「あぁ、嫌だわ!」
「帰りましょう!」
外からの会話が耳に勝手に入ってくる。
黙ってほしい。
神様はこの光景を見て助けてくれるのかな?
まぁ、いいや。コンビニでも行こう。
コンビニの前
「ねぇ!見て…あの家のお子さんじゃない??」
「ここに来たの?!」
ドンッ
「あら、ごめんなサーい!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!