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第1話

初めて出会った日
59
2019/06/13 08:37
思えばあの日から、始まったんだ。

いつだったか、俺は君に出会った。
君に恋をした。
もしもあの日、君に合っていなかったら、俺は今頃何をしていたのだろう。





「チッ、、、まいったな、」
俺は地獄に務める悪魔。学がないため下っ端として働いている。今日も今日とて先輩の御局様に現世の洋菓子を買ってくるように頼まれたのだ。んなの自分で行けよ。
「にしてもなー、、、」
どのくらいどこを飛んだのかもはや分からなくなっていた。今は見渡す限り木木木木木、、
飛ぶのも疲れたし、喉も乾いたので、降りて歩くことにしよう。こんな鬱蒼とした森、人も来ないだろう。
しばらく歩いていると、遠くから水の流れる音が聞こえてきた。飲める水だといいのだが、、
音のする方に歩いていると、しばらくして開けたところに出た。目の前には澄み切った水の泉がある。
「うおっ!!ラッキー」
俺は泉に駆け寄り、のぞき込む。ここの水、澄み切ってるってレベルじゃないほど綺麗だ。
そのとき、
ポチャン
「あー、、あぁ、、、」
胸ポケットのペンを落としてしまった。
まあ、あれは地獄に務めるようになってから悪魔みんなが貰ったものだし、、別にどうでもいいな、、。
構わずに水を飲もうとした時、
「このペンを落としたのは貴方ですか?」
「?!」
ガバッと、頭をあげると、目の前に女の人がいた。なんか、後光が差している、、、
「、、、もしかして、泉の女神、、」
「あら?よく見たら、貴方人間じゃないのね」
噂で聞いたことがある。
『この世とあの世を結ぶ森の端の端。
そこには澄んだ水の泉がある。その泉には、1人の女神がすんでいるという。なんでもその女神は幼い頃、天界から落ちてしまい運良く助かったが、生涯その泉で暮らすことになったらしい。女神は欲しいものを1つ出してくれるという。』
噂ではそれがどんな人なのかは分からなかったが、、、この女神、めっちゃ美人だ。
「ああ、、誰かと話すなんていつぶりかしら、、、。ねえ、貴方」
「はい、」
「もしよろしければ、私の話し相手をしてくれませんか?少しの間だけでいいの。」
こんな美人にお願いされたらOKするしか道はないだろ、、。
「俺でよければ、ぜひ。」
「まあ!嬉しい、、。私の名前はシホォンターナ。シホォンとお呼びください。」
「俺はデイジール。そうですね、、確かあだ名はなかったと思います。」
「そうなのね。では、そのまま呼ばせていただきますわ、デイジール。ペンをお返し致します。」
そう言って微笑んだ彼女はとても美しかった。




初投稿です。
誤字があったらすみません。。。
まだまだ続ける予定です。

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