僕の仲間である『H₂O』たちが、白くふんわりとした雲から落ちてく日々。
段々と落ちる回数が減り、雲の隙間から“ 光 ”が僕たちを照らす。
あれは『太陽』だ。
僕たちの仕事は、太陽を源として淡水化し陸へと向かう。
一旦陸に着くと僕たちは蒸発して雲になり、また雨や雪として落ちてく。
そのお陰で、陸で汚れた仲間も、水蒸気となり空間が綺麗になる。
あと一つは、空気中の汚れを溶かし空気を浄化する。
他の存在よりも、いつまでも生きられないかもしれない。
だけど、あの青い所《空》まで上がれば、何度も“ 再生 ”する。
この世界がある限り───
生まれたての僕にはまだ分からなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。