第4話

【心】海中
50
2018/10/26 15:01
僕の仲間である『H₂O』たちが、白くふんわりとした雲から落ちてく日々。

段々と落ちる回数が減り、雲の隙間から“ 光 ”が僕たちを照らす。

あれは『太陽』だ。
H₂O
H₂O
太陽の陽射しで、僕たちの身体が暖かくなる...嫌だなぁ…
僕たちの仕事は、太陽を源として淡水化し陸へと向かう。
一旦陸に着くと僕たちは蒸発して雲になり、また雨や雪として落ちてく。


そのお陰で、陸で汚れた仲間も、水蒸気となり空間が綺麗になる。
あと一つは、空気中の汚れを溶かし空気を浄化する。
H₂O
H₂O
魚さんたちもご愁傷しゅうしょうさま。 僕もいずれは蒸発する運命さだめだけど
他の存在よりも、いつまでも生きられないかもしれない。

だけど、あの青い所《空》まで上がれば、何度も“ 再生 ”する。

この世界がある限り───




H₂O
H₂O
それにしても、魚たちから聞こえた『人間』とはなんだろう.....?
生まれたての僕にはまだ分からなかった。

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