制服とリボンを結ぶと、ちょっとだけ大人になったような気がした！

鏡の前で何度も振り返ってみる。おかしいところはないかな？

わたし、工藤あなたは、今日からすとぷり学園の中学一年生。

真新しいブレザーの制服は、まだちょっと大きい気がする。

小学校は私服だったから、制服に憧れてたんだ✨

ピンクのリボンに、グレーのブレザー。シンプルだけど可愛いと思う。いざ着てみると、ちょっと照れくさいな。

中学ではどんな出会いが待ってるかな？

不安が大きいけど、期待は少しある。

少し開けていた窓から、ふわりと風邪が入り込んできた。

春の香りになんだかそわそわする。

1階からお母さんの呼ぶ声がして、時計を見上げた。

大変！もうこんな時間や！

 わたしは窓を閉めて、あわてて部屋を飛び出した。初日から遅刻なんて、まずいもんね。

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急いで朝ごはんを食べて、身支度を整えなき 

ゃ！肩下までの髪をひとつに三つ編みして、

左に流した。洗面所に出る前に鏡に覗き込ん

で。

そお言うとわたしは家を出た。

 中学校では、歩いて20分ぐらい？

 とちゅうのこうえんでは途中の公園では桜

は満開で、ひらひらと舞う花びらを捕まえた

くなっちゃう､､､っていけない、いけない。こ

んなことしてたら、本当に遅刻しちゃう。

靴箱の前で、小学校からの友達の千穂ちゃん

と待ち合わせしてるから、急がなきゃ！！

大声がして振り向くと、自転車が突っ込んで

くるところだった！

わたしは思わず目をつぶって、尻もちをつい

てしまった。

ぎゅと力を入れて身構えるけど、いつまで経

っても衝撃はやってこない。

恐る恐る目を開けてみると、自転車はわたし

のすぐ前に止まっていた。

心臓がバクバクいっている。

その人は自転車のスタンドを立てて、あわて

て近寄ってくる。

制服姿の男子だった､､､

心配そうな目がわたしに向けられている。

立ち上がろうとして、左の痛みに顔をしかめ

た。

見ると、手のひらに血がにじんでしまってい

る。

その男子は急いで立ち上がると、自転車のか

ごに入れていたかばんをあさる。

あんまり背は高くなさそうだけど、制服が新

品って感じがしない。

さらっとした髪は柔らかそうで、なんだか可

愛い系男子見たい。

わたしはどうしたらいいのか分からなくて、

立ち上がる事も忘れて見ていた。

振り返ったその人の手にはペットボトルの水

が握られてた。

わたしの前にもう一度しゃがみこんできて、

ふたを開けようとする。そこで彼は

と声を上げた。

首を傾げたわたしにその人がますます慌て

た。

とつい見つめてはっとする。

にっこり笑って、空いている手を差し出して

くる。

迷ったけど、その人はじっと待ってる。

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