このことを言うのは怖い
言ったら怖がる。離れられる。
今までみたく心配されなくなる
また………前みたく…………
言ってしまった
言いたくないけど、こんな雰囲気じゃ
何かを口実に逃げることも出来なかった
決死の覚悟で言った。
辛いよ………
なんで泣いているの?
悪いのも決めたのも私なのに
なんで自分で泣いてるの?
顔を上げたくない………
きっと冷たい目だ。哀れみの目だ…………
私は昔、港の防波堤のところで遊んでいた
綺麗な海が見えるし、心地いい
そんなある日、いつもみたく防波堤にいた
その日はいつもより風が強かった
私はその風に吹き付けられてバランスを崩した
そして海へと落ちていった
その様子を見ていた人達が必死に助けてくれた
その時………
激しい稲妻と共に豪雨が押し寄せた。
薄暗い雲が一瞬にして真っ黒に染まった
雨が強くなっていき、波も高くなった
それでも、近くの人達は私を助けてくれた……
だから、私は助かった。負傷もしていなかった
なのに………
助けてくれたのは5~6人ほどの高校生や大人の方
そのうち、高波に巻き込まれたりして
行方不明や死亡が……………起きた
そう、生きる資格なんてない
それがぴったりだ。
償いをしなきゃ………
それをあの時からずっと思っていた
to be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!