エーミールside
教え子達と飲んだ帰り、子供を拾った。
見方を変えれば誘拐になってしまうが、傷だらけだったので
正当な判断だろう。うん
連れて帰ったのはいいもののしんぺいさんは寝てしまっていたので
個チャに起きたら連絡くださいとだけ入れて俺も寝る事にした。
朝、念のため付けたままにしといたインカムが鳴った
寝ているこの子を昨日と同じく背負い部屋を出る。
そのとき、背中に強い衝撃を受けた
振り返るともう遅い、その子は走り出していたい。
ただ、焦ったのも束の間、その子はフードを引っ張られ、宙に浮いていた
あぁきっとこの子には兄弟が居たのだろう
でもあそこにはそれらしき子は居なかった
らっだぁside
2人を治療したコンちゃんがみどりくんに話しを聞いといてくれた
コンちゃんの報告だと2は兄弟らしい
黒髪の方はともというそうだ
ともさんがみどりくんに襲いかかっていたのはあの施設の実験によるものだそう
理由を聞く前に寝てしまったらしいが
おそらくともさんの元の髪色が赤なのだろう
医務室に向かっていると風が吹いた
それと同時に赤髪が横切る
気づいたらマフラーに紙が刺さっていた
震えた字でそう書かれていた
きっと完治していないから手が麻痺しているのだろう
紙には涙と思われるシミがある
みどりくんは一度兄に襲われようと気にしないだろうに
クミside
夜、6人でご飯を食べていたらドアの方から音がした
私とwatoさんで見に行くと赤髪の人が倒れていた
普段、こんな山奥に来る人間などろくな奴がいないので家にあげることはない
だが今回はwatoさんと話して入れることにした
なぜなら私達がここに来た時からある写真の人物と全く同じだったから。
同じ写真に映る2人の姿は無かった
朝起きたら彼は居なかった
私も農作業があるので朝は早い方なのだが
そんなことを考えていたらキッチンの方から音がする
試しに覗いてみた
はは…と乾いた笑いをこぼす
どうやら予想通りのようだ
あ、名前はともって言います
と続いて聞こえた
気持ちを考えろ
そう言われるかもしれないが
あんなに悲しい顔をしていたら誰だって話しぐらい聞いてやりたくなるだろう
でも…聞き方というのがあったかもしれない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。