やっぱりどうしても自分が許せない
もう無一郎とはとうの昔に終わっているのに
彼を傷つけてまで追い求めるものなのだろうか
縋るような思いでカナヲに問う
カナヲが答えを持ってるはずないのに
気晴らし、かぁ
気ぃ晴れるかなぁ
というか、晴らしていいのかなぁ
太陽くんは、教室で空元気という感じだった
決して他の人は気づくことがないだろう
彼の演技は完璧で普段と変わらないのだが少しとはいえ付き合っていた私なら気づいた
モブ子から紙を受け取る
放課後、帰る前に返していこう
ついでに何か他の借りてこようかな
1度選び始めたらなかなか決まらない
すごい長い時間、カナヲを待たせる訳にもいかないからそう言って毎回先に帰ってもらっている
やがて最後の授業がはじまった
何を借りようかな
ミステリー?
たまには恋愛もいいな
全く話を聞いていなくて肩が跳ねた
実弥先生は黒板の数字の羅列をチョークでトントンと叩いている
近くの席の炭治郎がコソッと言った
怒られたのに炭治郎はのうのうと笑っている
だから私も特に思い詰めもせずに笑っていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。