第4話

帰り道2
109
2018/03/03 13:32
一緒に帰れるのだって、あと1週間ぐらいのものだよね、卒業したらもうきっとほとんど会えない。
ただ幼馴染に会うのに遠いところまで行くってのもおかしいし....
告白、しようかな...
さっきまではそんな気はなかったけど、憂くんの口から一緒にいられるのもあとちょっとってことを聞いて、そうするのがいいんじゃないかと思った。
たとえふられてももう会うこともほとんどないんだし、最後に伝えてしまった方がスッキリする。
でも恥ずかしいな、どうしよう....
楓!車!
え...?
ばっと腕を取られて、引っ張られた。勢いのまま、憂くんの体にぶつかる。
...いつもの柔軟剤の匂い。
ていうか、近い!

急いで離れて顔をあげると、呆れた顔した憂くんが居て。
お前高校生になっても危なかしいよな。気をつけろよ、俺がいなかったら今死んでたよ
ごめん、気をつけます!
ありがとね憂くん
どういたしまして
そう言いつつ、憂くんは自然に道路側に移動してくれた。
こういう優しいところが、ほんとにすき。
そういえばお前さ、人前では憂くんって呼ぶの辞めろよな。
恥ずかしい
え、めっちゃ今更だね
もう卒業で一緒にいることもなくなるのに。
なんでこんな突然言ったんだろ。
じゃあなんて呼べばいいの?苗字で呼ぼうか、橋本...先輩?
15年の付き合いのお前に苗字呼びされるのすごい違和感
そうだな...あの、名前呼び捨てで
ゆう?
なにこれ、恥ずかしい!
なんか憂くんが、彼氏に、なったみたいで
憂くんはしばらく手で顔を押さえたかと思うと、やけにさっぱりした顔をして
うん!これで行こう!
って宣言した。
その後もなんだかんだ話してるうちに家について、
じゃーね
ん、バイバイ
いつも通りの別れの挨拶でお互いの家に入った。

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