一緒に帰れるのだって、あと1週間ぐらいのものだよね、卒業したらもうきっとほとんど会えない。
ただ幼馴染に会うのに遠いところまで行くってのもおかしいし....
告白、しようかな...
さっきまではそんな気はなかったけど、憂くんの口から一緒にいられるのもあとちょっとってことを聞いて、そうするのがいいんじゃないかと思った。
たとえふられてももう会うこともほとんどないんだし、最後に伝えてしまった方がスッキリする。
でも恥ずかしいな、どうしよう....
え...?
ばっと腕を取られて、引っ張られた。勢いのまま、憂くんの体にぶつかる。
...いつもの柔軟剤の匂い。
ていうか、近い!
急いで離れて顔をあげると、呆れた顔した憂くんが居て。
そう言いつつ、憂くんは自然に道路側に移動してくれた。
こういう優しいところが、ほんとにすき。
もう卒業で一緒にいることもなくなるのに。
なんでこんな突然言ったんだろ。
なにこれ、恥ずかしい!
なんか憂くんが、彼氏に、なったみたいで
憂くんはしばらく手で顔を押さえたかと思うと、やけにさっぱりした顔をして
って宣言した。
その後もなんだかんだ話してるうちに家について、
いつも通りの別れの挨拶でお互いの家に入った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。