第3話

帰り道1
127
2018/03/03 13:34
私、職員室に用事あるんだった。
行ってくる!じゃあねー!
ほんとかどうかわからないことを言いつつ、瞳は憂くんに会釈をしながら早足で教室を出ていった。
あの子いい子だよなー
いつも話したことないのにお辞儀してくれる
憂くんが瞳が出ていったドアを見つめながら何気なくつぶやく。
瞳だもん、いい子に決まってる!
瞳ちゃんだからいい子って理由になってないなそれ。
そろそろ行こうか
瞳ちゃん...下の名前呼びにちょっとだけジェラシー。
お互い話したこともないんだから、そういうことにはならないと思うけど。
まあ瞳には彼氏いるしね、こんなちょっとのこと気にしてたらいけない!
学校を出て、住宅街の中を並んで歩く。
家から学校まで近いから、歩いて帰れてほんとによかった。
そういえば憂くん、無理して迎えに来て貰わなくてもいいんだよ?友達とかもいるだろうし
ふと思ったことを口に出す。

憂くんが部活引退した頃に不審者がいるって噂になって、それで一緒に帰ってもらってたけど、今はもう大丈夫だと思うし。
友達は学校で話してるし別にいい
だって卒業まであとちょっとだしさ、友達との時間奪ったら申し訳ないじゃん
いいんだって、一緒に帰るのだって卒業するまでしかできないんだからさ
俺は最後までお前と帰るよ
...嬉しい。大事にされてる感じ。
けど、卒業まで、って思ったら寂しい。

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