ほんとかどうかわからないことを言いつつ、瞳は憂くんに会釈をしながら早足で教室を出ていった。
憂くんが瞳が出ていったドアを見つめながら何気なくつぶやく。
瞳ちゃん...下の名前呼びにちょっとだけジェラシー。
お互い話したこともないんだから、そういうことにはならないと思うけど。
まあ瞳には彼氏いるしね、こんなちょっとのこと気にしてたらいけない!
学校を出て、住宅街の中を並んで歩く。
家から学校まで近いから、歩いて帰れてほんとによかった。
ふと思ったことを口に出す。
憂くんが部活引退した頃に不審者がいるって噂になって、それで一緒に帰ってもらってたけど、今はもう大丈夫だと思うし。
...嬉しい。大事にされてる感じ。
けど、卒業まで、って思ったら寂しい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。