“ちゅっ”
今までにないくらいに優しいキス…
ほっぺに触れるだけの…
優しくて、甘いキス…
はじめが意地悪そうにそういうから、ドキドキと鼓動は止まらないまま。
逆に、はやくなってる。
すると
はじめは、スッと立ち上がり私の目の前を通り、背を向ける。
急いで、駆け足でついてく私。
ボソッとはじめが呟く。
そういうながら私は、はじめの横につく。
はじめは首を横に振り、にこやかな表情をする。
数十分後_
見慣れた外壁に思わず興奮する。
少しこの場所を離れただけなのに、なんだか懐かしい。
そう、はじめの家。
はじめは車をバックさせながら、そう言う。
駐車が終わると、私達は車から降りた。
なんだか、新鮮な気分だった。
“ガチャ”
と、勢いよくドアを開ける。
2階へ駆け上がると、シルクとンダホが。
2人は同じタイミングでこちらを向く。
それを見て笑えてきちゃった。
後ろから来ていたはじめも加わり、一気に賑やかになる。
数時間後_
雑談をしてると、時間って早く過ぎるなぁ。
時刻はもう6:56
みんな口々に思い思いのこと言う。
各自、自分のやるところへ向かった。
よしっ、私も始めるか!
冷蔵庫を開けるも、ほぼ空。
買い出し行きたいけどな…
誰かに助けを求めようとして後ろを向くと、シルクがパソコンとにらめっこしていた。
私の声に気づいた様子で、シルクはイヤホンを外す。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。