“ゆさゆさ”
と、誰かに体を揺さぶられてる。
私は、うつ伏せで寝ていた顔を起こす。
私は、半分寝ぼけたんまで返事を返した。
そう言うと、私の体がふわっと浮いた。
慣れない感覚に私の目は覚める。
シルクが、私をお姫様抱っこしてる。
こんなん、恥ずかしすぎるって!
少しバカにしたように、顔を覗かれる。
そう言われ、おろしてくれる様子もないので私は、バタバタしてた身体を止めた。
シルクは、玄関で私のことをおろす。
言われるがまま靴を履き、外に出る。
私はシルクに尋ねた。
優しい顔で微笑むシルクをみて、恋心がくすぐられる。
すると_
“ギュッ”
シルクの大きな手によって、私の手は包まれる。
こういう状況で、何も言えないのが私の悪いとこ…
早朝すぎて、誰もいない道をゆっくりと歩く。
2人おんなじ歩幅で。
すると消え入りそうな声で
という、少し甘えた声。
私は、あえてシルクの顔を見ず返事をする。
足元を見て少し悲しい顔をするシルク。
あまりにも突然すぎてびびる。
でも、私には分かる。
シルクはなんか隠してるって。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!