第7話

火曜日の電話
1,364
2018/03/28 22:57
りっちゃん
ん…
“バタッ”
ソファに座っていたりっちゃんが、床に転げ落ちるように倒れた。
ツリメ
りっちゃん?!りっちゃん?!
ツリメがりっちゃんの横に座り、りっちゃんを揺さぶる。
でも…
























起きない。
息をして…




















ない。
流石に私も動画を一回止め、カゲから飛び出した。
あなた

ツリメ!

そう呼ぶと、今にも泣きそうなツリメの顔。
ツリメ
救急車!救急車!
今まで見たことないくらいの、焦った顔でスマホで救急に電話をかけようとするツリメ。
救急車を呼んでいるツリメの横で私は、持っていたそらちぃのスマホでエイジに電話をかけようとした。
でも、なかなかでない…
ワンコール…
ツーコール…
スリーコール…
あなた

📞もしもし!?エイジ!

エイジ
📞ん?どーした?
あなた

りっちゃんがぁ!
りっちゃんが倒れちゃったのっ!

私は、泣き出しそうな声でそう言った。
エイジ
📞えっ!?
あなた

📞今すぐ帰ってきてぇ!

エイジ
📞わ、分かった!
電話を切ると、全身が脱力した。
へなっと、私は座り込んでしまった。
そして、たくさん涙が出てきた。
今、会った人。
この人のこと、何も知らない。
でも、
1つの命が、消えかけてる。
今。
今。
今。
何もできない自分に。
こんな時に何もしてあげられない自分に。
腹が立った。
あぁ、なんで?
どうして?
なんで私はこんなにも、









役立たずなの?
数分後_
無事に救急車は到着した。
ツリメはりっちゃんと一緒に救急車に乗って、病院へ向かった。
ツリメは、半泣き。
本当は、我慢してる。
男を見せようと、頑張ってる。
りっちゃんのことを、信じてる。
数分後_
そらちぃたちが到着した。
そらちぃ
り、りっちゃんは!?
あなた

うっ。ついさっき、運ばれた…

そらちぃが、私の涙を優しく拭う。
エイジ
それじゃ、俺らも病院行くぞ!
りっくん、車出して!
しゃがんでた私を、エイジが力強く引いて立ち上がらせた。
リクヲ
う、うん!
車に乗り込むと、不思議とまた涙が溢れてきた。
そらちぃ
大丈夫。絶対、大丈夫だから。
車の中でそらちぃは、ずっとその大きな手で私の手を握っていてくれた。

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