後ろを向くとどっかで見たことある顔が。
この子の名前は多分、乃亜(のあ)。
でも、名前しか思い出せない。
私が通ってた学校と制服を着てる。
リボンの色的に同い年。
乃亜の後ろからひょこっと顔を出したのは_
聞き慣れた声。
すらっとした生足。
短いスカート。
整った髪型。
見慣れた顔。
私は、コクっと頷いた。
数分後_
優雨が、ペコッと会釈をする。
行ってしまう。
行ってしまう。
優雨…?
気づいてよ。
私を見て?
ねぇ!
目が涙でいっぱいに溢れた。
みんなが、私を囲むようにして慰めてくれる。
十数分後_
私たちは夜ご飯も込みで、焼肉屋さんの個室にきた。
またまた数十分後_
私を覗き込む、ツリメ。
私は、静かに頷いた。
やだっ。また涙が…
ニコッと笑顔を見せるそらちぃが、私の涙を拭う。
すると思い出したかのように、
っとエイジが言った。
リクヲが、そらちぃのスマホを覗き込む。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!