さっきから、身体中が冷たい。
寒いじゃなくて、冷たい。
元気があるのに、冷たい。
なんだろうか…
周りでは3人が楽しそうに食事してる。
私は、笑ってこの異常な冷たさを隠すしかない。
私は、目線を自分の手にやる。
えっ…
手が…
消えかけてる。
次の瞬間。
ふわりと、身体が軽くなった気がした。
もう本当に最後なのかな。
何も考えられない。
身動きも取れない。
思考回路が徐々に鈍っていく。
その中でただただ、ずっと愛しい人達の声が響く。
私の名前を何度も何度も叫んでる。
私はこれに何も反応することが出来ない。
最初から、こんな恋。
許されなかったんだって、確信した。
私なんて、所詮死者。
元人間とはいえ、こんなことしちゃいけなかったんだ。
はじめ達に会わなければ。
あの公園に行かなければ。
あの横断歩道を渡らなければ。
死ななかったら。
私が、生きていなかったら。
涙で視界がぼやける。
身体はもうそろそろ宙に浮いてしまうほど。
私は、優しく目を閉じた。
@はじめsideーーーーーーーーーーーーーー
どうして?
みんなあなたの名前を呼んでるよ?
ねぇ、起きてよ。
あなたは身体を俺の膝に預けて消えかけてく。
俺は、あなたの手を…
握れなかった。
握りたかった。
でも、触れた瞬間。
あなたが、キラキラ光る粉になって消えた。
俺は泣いた。
溢れる涙をそのままに。
泣きじゃくった。
なんて冷静に話すポッキーくんの声は耳を通り抜けた。
俺が出した結論。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。