第21話

木曜日の私の鼓動
1,161
2018/04/30 10:07
へぇ!?
今、私のこと好きって…?
私はポカンと口を開けて黙ってしまう。
こんなに真面目にされた告白なんてないから。
そらちぃ
あはっ。そんな顔しないで。
にこやかに笑いかけるそらちぃ。
そらちぃ
俺、あなたのこと…
すると、そらちぃはまた私に近づき…
両腕で私を抱きしめる。
それは力強くギュッとかたく。
私の身は閉ざされる。
そらちぃ
これくらい好き。
そらちぃ
伝わってる?
そらちぃの鼓動が、ドクンドクンと伝わる。
それと同時に、私の鼓動もはやくなる。
あなた

つ、伝わらないよっ!

そらちぃ
???
首を傾げるそらちぃ。
あなた

だ、だって…

伝わらない。
伝わるわけない。
だって、だって。
この鼓動は、私のもの。
@そらちぃsideーーーーーーーーーーーーー
顔を赤く染めたあなたが言う。
あなた

私の鼓動しか…
き、聞こえない…って。

はぇ?!
それって、あなたも…
ドキドキしてるってこと?
それって、俺は…
期待していいってこと?
俺は、思わず抱きしめてた手を離す。
そらちぃ
そんなこと言ったら、俺勘違いしちゃうんだけど!
俺は、力強く言い返した。
きっときっと、そうだ。
あなたは、俺じゃないヤツが好きなんだって。
気づいてんだよ。
俺が抱きしめたって、何をしたって。
あなたの瞳にはいつも、寂しそうな闇があった。
俺はそれを、その暗闇を。
明るくすることは、できないみたいだ。
あなた

え…ぇ…

そらちぃ
もういいよ。
1個だけ言ってい?
俺は、あなたの頭に手を添え、様子を伺う。
あなた

そらちぃ
あなたが、誰を好きでも。
そらちぃ
俺は。
ずっとずっとずっと。
そうずっと。
そらちぃ
あなたを想ってるって。
覚えといて。
一瞬、驚く顔をするあなた。
だが、その顔はすぐに“ぱぁ”っと明るくなり、俺とバチっと目が合う。
いつか、君の笑顔の理由になりたい。
なんて。
なんて。
なんて。
な。

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