第30話

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1,826
2022/04/24 14:10












話、、?



なんの事だ、と思いながらも話を遮れるような雰囲気じゃないから大人しく黙っておく。








renjun
renjun
まず、へディアスの事ですが 簡潔に言うと
とある会社の秘密組織、のようなものです。
yangyang
yangyang
秘密組織、ねぇ…
yangyang
yangyang
そのとある会社は分かったの?
renjun
renjun
勿論。







ロンジュンはカウンターの中からファイルを取り出した。



ちらりとファイルの中を盗み見ると 文字がびっしり並んでいて 見ているだけで文字酔いしそうになる。









renjun
renjun
へディアスの表向きの名前は
 “ ホタン製薬 ”
恐らく2人も聞いたことがあるかと思います。
あなた
えっ、ヤンヤン…それってあのあれ?
yangyang
yangyang
んー、多分ヒョンが考えてるやつだよ。








ホタン製薬と言えばcmでもよく見かける韓国で5本の指には入る製薬会社だ。



そんな大企業がなぜへディアスと関わりがあるんだ…?







renjun
renjun
簡単に言わせて貰いますと
製薬会社だから実験はし放題なんです。
renjun
renjun
それを利用して…ヒョンのような特異体質の人間を連れ込み 人体実験を繰り返しているんです。
あなた
………ひどい、
yangyang
yangyang
なんでホタン製薬…へディアスはそんな事を?
renjun
renjun
欲しいんです
renjun
renjun
あなたヒョンのような特異体質の人間が。
renjun
renjun
彼らは特異体質の人間で実験をし、
特異体質になれる薬を開発しようとしているんです。
renjun
renjun
死人が出たような残酷な実験も……何件か報告されています。







酷い。

僕達特異体質は望んでこんな体質になったわけじゃないのに。


それが原因でどれだけ辛い思いをした人がいるか
へディアスのやつらは全く分かっていない。



僕達だって必死に毎日を過ごしているのに

くだらない人間の私利私欲の為に使われるなんて……







yangyang
yangyang
ひょん、眉間にシワよってる。
可愛い顔が台無し。
あなた
だって、!
yangyang
yangyang
気持ちはよく分かる。でも今怒ってもどーにもならない。
yangyang
yangyang
…最後にぶっ飛ばせばいいの。








そう呟くヤンヤンの横顔は僕と同様怒りに満ちている



そこで僕はふと疑問に思った。

先日のロンジュンの誘拐事件だ。







あなた
ねぇ、ロンジュナ。
あなた
ロンジュナって特異体質…じゃないよね?
renjun
renjun
あ…えぇ、ちがいます。
あなた
じゃあなんで誘拐されたんだろう。
あなた
へディアスの指示で動いてるんなら
普通僕とかテンヒョンを誘拐するんじゃないの?
yangyang
yangyang
…たしかに。
renjun
renjun
そこまでは分からないですけど……
renjun
renjun
でも多分 僕は色々繋がりがあるからじゃないですかね、







確かにそれもそうだ。

ロンジュンの周りにはテンヒョンにジェミン、それに僕のような特異体質保持者がいる。

僕が知っているだけでも3人もいるんだから 多分もっと存在するんだろう。







あなた
ロンジュンも大変なんだね…
あなた
今度ヒョンが美味しいもの奢ってあげる
renjun
renjun
えっ、、いいんですかっ!!
あなた
もちろん!可愛い弟だもん!
yangyang
yangyang
ずるい!僕にも!
あなた
はいはい、ヤンヤンも一緒にね?







ヤンヤンの頭をよしよしと撫でてあげると
ロンジュンも少しだけ羨ましそうに見つめてくる





あなた
ロンジュナ、ほら。






そう言って手招きをすると大人しく頭を下げるロンジュン。



僕はそのセットされた髪を崩さないよう
優しく頭を撫でてやる






renjun
renjun
ふふっ、ヒョンに撫でてもらったら元気出ました。
renjun
renjun
ありがとうございます






笑顔になったロンジュンを見ると僕もつい笑顔になってしまう




と、二人の世界でふわふわとしていると

ヤンヤンが痺れを切らしたように咳払いをした。








yangyang
yangyang
ん゙んっ、ロンジュン。今日は帰る。ありがとう。






ヤンヤンはそう言うと10万円分の紙幣をロンジュンに渡した




あなた
…えっ、お金取られるの?
renjun
renjun
商売ですから
yangyang
yangyang
これでも安くしてもらってるんだよ。ほんと、ぼったくりみたいな店。
renjun
renjun
情報収集にはお金がいるからね。
あなた
じゃあロンジュンの本職って…
yangyang
yangyang
ぼったくりの情報屋。
yangyang
yangyang
まあその分信頼できる情報なんだけど…






あんなに可愛いロンジュンがぼったくり、、




renjun
renjun
ヒョン、言っとくけどこの値段に設定したのジェミンだから。
renjun
renjun
勘違いしないで、僕は違うから!





ぼったくり呼ばわりは流石に嫌なのかわりと早口でそう捲したてる。
営業用の敬語も使ってない。かわいい。





あなた
わかったわかった、





絶対わかってない、、


なんてボヤきながら
ロンジュンはしっかりとお金を受け取って
ヤンヤンにしっし、と追い払うようなジェスチャーをしていた。





renjun
renjun
またの御来店をお待ちしております。






にこりと笑って綺麗にお辞儀をするロンジュンに
ヤンヤンはこっそり





yangyang
yangyang
出来るならお世話になりたくないけどね





なんて悪態をついていた


でもきっとまた来る事になるんだろうなぁ
なんて考えながら Dream space    情報屋をあとにした











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