話、、?
なんの事だ、と思いながらも話を遮れるような雰囲気じゃないから大人しく黙っておく。
ロンジュンはカウンターの中からファイルを取り出した。
ちらりとファイルの中を盗み見ると 文字がびっしり並んでいて 見ているだけで文字酔いしそうになる。
ホタン製薬と言えばcmでもよく見かける韓国で5本の指には入る製薬会社だ。
そんな大企業がなぜへディアスと関わりがあるんだ…?
酷い。
僕達特異体質は望んでこんな体質になったわけじゃないのに。
それが原因でどれだけ辛い思いをした人がいるか
へディアスのやつらは全く分かっていない。
僕達だって必死に毎日を過ごしているのに
くだらない人間の私利私欲の為に使われるなんて……
そう呟くヤンヤンの横顔は僕と同様怒りに満ちている
そこで僕はふと疑問に思った。
先日のロンジュンの誘拐事件だ。
確かにそれもそうだ。
ロンジュンの周りにはテンヒョンにジェミン、それに僕のような特異体質保持者がいる。
僕が知っているだけでも3人もいるんだから 多分もっと存在するんだろう。
ヤンヤンの頭をよしよしと撫でてあげると
ロンジュンも少しだけ羨ましそうに見つめてくる
そう言って手招きをすると大人しく頭を下げるロンジュン。
僕はそのセットされた髪を崩さないよう
優しく頭を撫でてやる
笑顔になったロンジュンを見ると僕もつい笑顔になってしまう
と、二人の世界でふわふわとしていると
ヤンヤンが痺れを切らしたように咳払いをした。
ヤンヤンはそう言うと10万円分の紙幣をロンジュンに渡した
あんなに可愛いロンジュンがぼったくり、、
ぼったくり呼ばわりは流石に嫌なのかわりと早口でそう捲したてる。
営業用の敬語も使ってない。かわいい。
絶対わかってない、、
なんてボヤきながら
ロンジュンはしっかりとお金を受け取って
ヤンヤンにしっし、と追い払うようなジェスチャーをしていた。
にこりと笑って綺麗にお辞儀をするロンジュンに
ヤンヤンはこっそり
なんて悪態をついていた
でもきっとまた来る事になるんだろうなぁ
なんて考えながら Dream spaceをあとにした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!