「……ほ〜ら、斬れないじゃないですか」
以「〜〜〜っ…」
以蔵は左手で柄を持ち右手で刀を抜こうとしたものの、そこからは動くことは出来なかった
あなたはそんな以蔵を抱きしめる
以「なっ!おいっ離「離しません」…!?」
「あなたが今までどんな事をしてきたのか、私には分かりませんけど…あなた本当はやりたくなかったんじゃないですか?」
以「……っ」
以蔵は自分の心の中を覗かれたみたいで、あなたを振りほどくことが出来なかった
「あなたは本当は綺麗な心の持ち主なんですよ…ただ、周りの環境が良くなかっただけ」
以「俺は…俺はっ…」
「今は私しかいません……思いっきり泣いてもいいんですよ???」
以蔵は妹を思い出していた
以「…グスッ…うっ…ズビッ…あぁぁぁぁ…(涙)」
あなたはそんな以蔵の背中を抱きしめたまま何も言わず撫でる
月明かりが2人を明るく照らしていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。