~ある朝のこと~
シャークんはNakamuにソファーのある部屋の方を指さして喋りかける
シャークんは人間と魔人のハーフらしい
が、魔人の血が圧倒的に多かった
だから、正真正銘の魔人とまではいかないが人種としては魔人らしい
人間と魔人の狭間で生まれてきたシャークんだからこそ起こり得た事件だったのかもしれない
シャークんは子供の頃、魔人より人間と一緒に遊んでいた
だが、大人になるに連れて人間の見た目とは徐々に離れていった
シャークんが弁解する前にその子は走ってどこかへ行ってしまった
その後だ
シャークんが人間不信になったのは
シャークんは人間の宿「人柱」に帰りたくなかった
その理由はもうみんな分かっているだろう
人間と魔人のハーフということがバレてしまったからだ
シャークんは別に隠してるつもりはなかったが、子供の頃は人間と区別がつかなかったみたいだった
でも、そこにしか住む場所はなかったので帰るしかなかった
シャークんが扉を開けた瞬間、そこには地獄が広がっていた
宿に入った途端に水をかけられ
シャークんの部屋がめちゃくちゃに荒らされていた
終いには人間に殴られたり蹴られたりした挙句、追い出された
シャークんに弁解の余地はなかった
人間側も聞く耳を持たなかった
でも、シャークんは反撃しなかった
人間が好きだから
嫌いになれなかった
でも人間達の執着心は1日では終わらなかった
シャークんはどんなことをされても反撃はしなかった
自分は人間だからと言い聞かせて
たとえそれが1年続いても
でもそんな我慢もある日、水の泡となって消えていった
その日は丁度シャークんの誕生日だった
人間達がシャークんを誕生日だからと言って宿に呼んだ
シャークんは嫌な予感しかしなかったが、人間達に誕生日を覚えてもらえてるだけで嬉しかった
が、そんな嬉しさも束の間、シャークんの嫌な予感は的中した
そこに飾られていたのは、小さい頃から魔人の友達だったNakamu達が血まみれになって飾られていた
グシャ……
その日からシャークんは魔人になった
それと同時に人間不信になった
その宿にいた人間を全員抹殺した後Nakamu達が住んでいる宮殿へと足を運んだ
血まみれになった体と傷ついた心と共に
「宮殿に入る」
シャークんが顔を上げた目の前には見覚えのある顔があった
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~~~~~~~シャークんの過去 終了~~~~~~~
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。