第20話

十九
564
2021/03/07 09:45
その日からまた数ヶ月立って
普通のカップルがする事はしてきた
お互いの家だって教えたし
2人で出かけたり、喧嘩だってしに行った
廃寺で一日寝てる日だってあったし
紀久は毎日高校に迎えに来てくれた
そんなある日の事
血だらけの紀久が家にきた
貴方
紀久、どうし__
日向紀久
黙れ
そんな言葉紀久言われたこと無かったから
すごくびっくりしてて、その場で固まった
すーっと血だらけの紀久の手が伸びてきて
私の頬に触れた
何も言うなと言わんばかりの目
黙って、紀久は私を抱き上げた
服に紀久の血か分からないものがつく
そのままベッドに押し倒すと
貴方
っ……あ…
日向紀久
……
貴方
痛っ……あ…
強引に私を抱いた
やめてとも嫌だとも言ったけど
紀久には届かなくて
初めて、涙を流しながら行為をした
夜が明けると紀久は居なくて
机の上のメモただ一言
"悪かった"とだけ
貴方
なんだったんだろう…
空っぽの部屋で1人呟いた
それから結構な頻度でそうゆう事がおこった
次の日には決まって、謝りのメモ
シーツや枕は血だらけになっていて
2人で出かけたりする事も無くなった
貴方
ねぇ、紀久
日向紀久
なんだ
貴方
最近おかしいよ
日向紀久
変わってねぇよ
貴方
変わったよ
日向紀久
あ?
前髪から覗く、ゆらゆらと揺れる目
貴方
前はこんな事しなかった
日向紀久
……
普通なら別れればいいんだろう
それが正しくて、1番いい選択なんだろう
だけど私たちは
日向紀久
嫌いか、俺の事
貴方
……
日向紀久
なぁ、嫌いか
貴方
嫌いな訳無いでしょ
互いが依存して
日向紀久
そうか
何が正しいのかなんて
貴方
うん…
分からなかった
変化になんて気づかなかった

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