ピンク……いや黒かな?
スカート?でも、ズボンの方が……
上着はいるかな?
っていうか、気温はどのくらいなんだろ?
んん〜〜、わかんないよ(泣)!
私の部屋の床、ベット、机の上には
服、服、服!!
だって〜明日は文化祭の買い出しなんだよ!
みんなで遊びに行くのなんて初めてだし。
何着ていったらいいんだろ?
持ち物は?
お金ってどのくらいいるの?
どうしよ〜!!
とりあえず、このスカートは絶対でしょ。
黒のプリーツスカート、お気に入りの。
上着は……このボアのやつがいいかな〜
白のトレーナー着て。
ボルドーのベレー帽かぶって……
こんな感じかな??
髪は……ストレート?
でも、いつもストレートだし軽く巻こっかな。
黒のブーツを履いて……。
私はためしに着てみる。
そして、鏡の前に立つ。
……うん!
いい感じ。
本当は海人のタイプとかにしたかったんだけど……
知らないからな……
でも、多分大丈夫!
私は鏡の前で回ってみる。
海人も気に入ってくれたらいいな〜
可愛い……なんて言われたら……
なんて
ないっ!それは!
いつのまにか、私の部屋にお兄ちゃんがいた。
ヤバイ!!
ニヤニヤしてるところとか、回ってるところとか見られた〜!?
お兄ちゃんは勝ち誇ったような顔をしてる。
やっぱり……見られてたのか……。
確かに、最近のご飯のメニューはハンバーグ、サシミ、コロッケ……。
だって、毎日楽しいもん。
海人とも話せて。
光ちゃんとも仲良くできて。
ハルと友達になれて。
さくやと先生とも仲直りできて。
毎日、楽しい。
あの暗かった日々が嘘みたいに。
幸せすぎて……こんなに幸せでいいのかなって思っちゃうくらい。
私はお兄ちゃんを、見る。
優しそうな目。
私とどこか似ている顔。
同じ色、質の髪。
身長は私よりもだいぶ高い。
私の自慢のお兄ちゃん。
ずっと、二人で育ってきた。
私はお兄ちゃんの背中を見て育ってきた。
二人で支え合ってここまできた。
だけど……
私達は……
セックスをした。
兄弟で絶対にしてはいけないこと。
許されないこと。
それを私達はシたんだ。
でも、私は変わるんだ。
過去は変えられないけど……
今と未来は変えられるんだから。
戦わなきゃ。
一度も勝ったことの無い、
私の大好きな、
お兄ちゃんと……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。