第117話

文化祭
22,570
2019/03/06 09:59
みく
だ……誰??
フワッと風が吹く。

クルクルと巻かれたロングの髪。

その髪は淡い桃色で。

光を含んだその髪は、とても印象的だった。

制服は……この町で一番賢い高校の制服を着ていた。

そこは校則がないから、自由なんだ。

第二ボタンまで開けたシャツ。

立派な胸に乗った赤いリボン。

こっちがビクビクしてしまうくらい短いスカート。

そのスカートに巻かれたベージュのカーディガン。

長くて細い足がすらっと伸びていて。

濃いメイクに、リングのピアス。

まあ……簡単に言うと

ギャル??
??
誰って、こっちが聞きたいわよ。
ずっと泣いてるんだもん!
みく
こ……これは
??
今日、文化祭でしょ!?
泣いてる暇なんてないでしょ

もしかして……怒っているのかな?

見た目はギャルで。

だけど、メイクではなくて天然の美人だってことはわかる。

筋の通った高い鼻。

大きくてぷっくりとした涙袋。

ギャルにしては珍しく、付けまつ毛をしていない。

もともと、長くて太いまつ毛だった。

そんな女の子が私を見下ろし、目を釣り上げ、次から次へ言葉を発する。

一応……初対面なんだけどな。
??
まったく……
何で泣いてるのよ。
女の子は私に顔を近づける。

シャツの隙間から谷間が見える。

私と同じくらい、大きい。

そして……





みく
その……目……


澄んだ黄色がかった目。


潤んだ輝く宝石。


深い深い……悲しみをまとったような。


私が毎日見ている目ーー。
??
あ〜!気にしないで。
生まれつきなのよ。
??
そんなことより!
女の子は私の肩をガシッと掴む。


反射的にビクッとしてしまう。
みく
な……何〜!!
??
ここどこよ!?
へっ!!??

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