フワッと風が吹く。
クルクルと巻かれたロングの髪。
その髪は淡い桃色で。
光を含んだその髪は、とても印象的だった。
制服は……この町で一番賢い高校の制服を着ていた。
そこは校則がないから、自由なんだ。
第二ボタンまで開けたシャツ。
立派な胸に乗った赤いリボン。
こっちがビクビクしてしまうくらい短いスカート。
そのスカートに巻かれたベージュのカーディガン。
長くて細い足がすらっと伸びていて。
濃いメイクに、リングのピアス。
まあ……簡単に言うと
ギャル??
もしかして……怒っているのかな?
見た目はギャルで。
だけど、メイクではなくて天然の美人だってことはわかる。
筋の通った高い鼻。
大きくてぷっくりとした涙袋。
ギャルにしては珍しく、付けまつ毛をしていない。
もともと、長くて太いまつ毛だった。
そんな女の子が私を見下ろし、目を釣り上げ、次から次へ言葉を発する。
一応……初対面なんだけどな。
女の子は私に顔を近づける。
シャツの隙間から谷間が見える。
私と同じくらい、大きい。
そして……
澄んだ黄色がかった目。
潤んだ輝く宝石。
深い深い……悲しみをまとったような。
私が毎日見ている目ーー。
女の子は私の肩をガシッと掴む。
反射的にビクッとしてしまう。
へっ!!??
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!