第198話

最終話 未来
26,748
2019/09/09 11:04
みく
綺麗な桜だね〜!


私たちは、満開の桜道を歩く。

3月だけど、ここの桜は早咲きみたいで、ちょうど満開だった。

何本もの桜の木が並ぶ道を歩くと、広い平地にたくさんの墓が並んでいる。

そこの隅に、海人の墓があった。
ハル
よっ!海人!
オレら卒業したぞ
さくや
これ、海人の卒業証書

さくやが預かっていた海人の卒業証書を供える。
はい、海人

光ちゃんは行く途中で買った、百合の花を供える。

そして、パシャっと海人の墓に水をかける。

太陽の光が反射して、キラキラと輝いていた。

卒業証書と百合の花で彩られ、キラキラと輝く海人の墓は、他の墓より浮いて見えた。
愛音
はい、お線香

愛音ちゃんが火のついた線香をみんなに配る。

そして、順番にさしていく。

私ももらった2本の線香をさした。





みんな、静かに目を閉じる。

そして、手を合わせた_______










____________________
ハル
そろそろ行くか
みんなで遊ぶぞー!
えっ!やった〜!
さくや
先輩と先生のおごりで
先生
俺は関係ねーぞ
愛音
全部センセーに払わそうよ〜
先輩
それ、賛成


みんなで桜散る花道を歩く。

みんな楽しそうに笑ってる。

これが海人の望んだ世界。

私につくってくれた世界。

私一人じゃ、こんなことできなかったよ……。

幸せで、幸せすぎて……。

早く終わってほしかった高校生活。

だけど、今は終わるのが嫌だ。

ずっと、ずーっと続けばいい。

みんなと、「普通」の生活をおくりたい。





……だけど、それはもうおしまい。

これからはみんな、それぞれの道を歩いていく。

その道は、もう交わることはないかもしれない。

環境が変わって、新しい人に出会って。

また、幸せな日常をつくっていくんだろうな。

それでも……。

絶対にこの一瞬を忘れない。

忘れたくない。

私の大好きなみんなのことを______

今ならわかるよ。

幸せって、今この瞬間を言うんだね。

私は今、幸せです。

誰かさんのおかげでね。

ありがとう。













???
……おいっ!

突然、手首を強く掴まれた。

私はビクッとして、反射的に振り返る。

そこにいたのは……









知らない、赤い髪の人_______
???
コレ……落としたぞ
みく
えっ……!あ……
「赤い髪の人」の手には、海人からもらったネックレスが握られていた。
 
さっき、車の中で少し緩めたから落ちたんだ……。

私は渡されたネックレスを受け取ろうとする。

すると……

???
待てよ。
せっかく綺麗なんだから……

「赤い髪の人」の手が私の腕に僅かに触れる。
 
腕の神経がビクッと反応する。

「赤い髪の人」の白くて長い指が、器用に私のネックレスをつける。

そして、あっというまに私の腕にはネックレスがキラッと輝いた。
みく
あ……ありがとう

私は急な出来事に動揺していた。

それでも、お礼はきちんとしないと……と思い、「赤い髪の人」の目を見てお礼を言った。

よく見たら、「赤い髪の人」の目は黄色がかっていた。

その瞳で見つめられると、苦しくなる。

悲しくて、切なくて、泣きたくなる。

……それでも、前に進まなきゃ。

みく
ありがとう!それじゃあ!

私は笑顔で言った。

もう、私は大丈夫よ。

だから、きっと素敵な人を見つけるね。

きっと、すぐそこに運命は隠れているはずだから……。

新しい出会いが待ってる。









私の後ろ姿をじっと見つめる「赤い髪の人」に気づかず、私はみんなが待つ道へ走った。





____________________








暖かいハルの日に
ハル
海人!

やさしい眼差しと
先生
宇治屋

まっすぐに進むひかりにかこまれ
海人!



私たちは______


強い大地だいち
先輩
海人っ

咲くさく花のように
さくや
海人

たくさんのあい
愛音
海人っ!!

おおきなかがやきを持って
海人

未来ミライに向かって
みく
海人っ!


私たちはこれからも歩いていく______






















" 世界で1番愛する君へ "



" 君の周りが笑顔で溢れますように "



" そして "



" 君が笑顔になりますように "



" それが僕のたった1つの願いです "



" 君の幸せを、彼方から見守っています "


       
                 END

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