私は急いで家を出て、最寄り駅まで走る。
駅に着いたときにはもう電車がいて。
焦って飛び乗った。
私はホッと息をつき、窓から外を眺める。
見慣れた東京の景色。
ビルばかりかと思いきや、意外と家も多いんだよな……。
次々と景色が変わってく。
どんどん見慣れない景色になっていく。
私はスマホ片手に降りる駅を確認しながら、電車を降りる。
そして電車を乗り継ぐ。
よしっ、間違えてない!
これなら約束の15分前には着く。
キラキラとした町でみんなとお買い物だ!
本当は買い出しだけどね……。
まあ、そんなことはいいの!
私はガタゴトと電車に揺られた。
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約束の場所にはもうハルが来ていた。
黒いパーカーに足の長さが際立つジーパン。
ピアスもしていて、やっぱりかっこいいな……。
光ちゃんは白い長めのスカートにボルドーのニットを来ていた。
大人っぽい!
いつもの光ちゃんのイメージとちがっていたから、さらに可愛く見えた。
光ちゃんはいつもは大人しそうに見えるけど、仲良くなると面白いしよくしゃべるの。
ハルと光ちゃんってなんかいいね!
凄く仲良く感じる。
私は二人を見て笑う。
でも……心に何か引っかかるような感じがする。
光ちゃんは海人のことはずっと名前で呼んでたんだ……。
別に深い意味はないよね?
大丈夫……。
なんだか嫌な感情。
私、この感情嫌いだな……。
いつのまにか海人とさくやも来ていた。
嫌な感情が気づかないうちに消える。
海人の私服は、白いTシャツに黒いズボン。
その上に黒いジャンバーを着ていて、シンプルだけど逆にそれが似合っていた。
キャップもかぶっていて、いつもと印象がちがう……。
なんかドキドキするな……。
さくやはチェックのシャツにジーパンを着ていて、これもまた似合っていた。
3人ともかっこいいな。
そして、光ちゃんも可愛い。
私、大丈夫かな!?
海人が私のベレー帽をポフポフと触ってきた。
海人の手が私の髪にも触れる。
ヤバイ……顔が熱くなってくる。
知ってる……これは帽子を触ってるんだよ。
わかってるけど……。
なんたか頭を撫でられてるみたい。
海人に触れられたことは何回かあるけど、
好きな人に触れられると、いつでもドキドキしちゃう……。
文化祭買い出しスタートです!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。