第57話

先生
81,332
2021/01/01 14:50
ずっと泣いた。

なんだかわからないけど、涙は止まらなかった。

腰がジンジンする。

私は変われなかった。

今の私が変わっても、過去の私は変わらない。

今まで、自分がしてきたんじゃない。

自業自得だよ。

いつも人のせいにしてるけど。

結局受け入れてセックスを楽しんでるのは私だ。

私はもうとっくに汚れてて。

もう戻れない。

変われる方が、不思議なのかな。

でも、海人との約束は守りたいよ……。

あの大切な時間を消したくないよ……。
みく
ふ……っ……んっ…(泣)
先生
みく?
この声は
みく
せ、先生……
私のセフレの先生。

泣き顔、見られちゃった。
先生
どうしたんだ?
みく
な、何でもないです。
先生
何でもないのに、涙が出るはずないだろ。
いつもは頼りになる優しい先生だけど、二人きりになると、少し意地悪になる。

今まではずっと、そんな先生が好きだった。

けど……
みく
本当に何でもないです。
ほっといて下さい。
先生
みくは、そんな悪い子だったっけ?
先生が私の方に近づいてくる。

さっきのさくやとの行為が私の頭を横切る。

ヤダ……やめて……。

こっちに、来ないで……。
先生
みくはもっと、素直な子だったよね?
先生が私の前に立つ。

先生は大きく冷たい手で私の顎を持ち上げる。

みんなが喜ぶ『顎クイ』だけど、

今は恐怖でしかなかった。
先生
お仕置きだね
みく
……あ…や……
先生の口が近づいてくる。

ダメ……やめて……

私は変わるんだから。

海人と約束したんだから。

でも……

これからされることはわかってる。

私は先生に犯される。

私は変われない。

さくやにも犯されて、先生にも……。

約束したのは昨日だよ。

今日は海人と帰るんだよ。

あと15分もたてば、海人が戻ってくる。

でも……

ごめんね、海人。


もう、どうでもよくなってきた。


もう、いいや。









私は瞳を閉じた。






その瞳から涙が流れた。

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