第67話

海人
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2018/11/02 11:40
《 海人 》



俺は1人、薄暗い廊下を歩く。


窓から痛いくらいの夕日が差し込む。


遠くでお年寄りのか細い声と甲高い子供の声が聞こえる。


そして、笑い声が広がる。


海人
(いいな……)
きっとお年寄りと子供は幸せだ。


何にも縛られず、何もかも忘れて笑えてる。


これからもずっと、ずっと……。



俺はあんなに笑った時があったっけ?


小学生の時は無邪気に笑ってたな。


中学生になったばかりのときはバカばっかりやってた。


中学2年生の冬は……。


それから本当に笑ったことはあったか。


だって……俺には、××××××。












そう思ってたのに。
海人
(あ……。)
俺の前を綺麗なロングヘアーの女の人が通
る。


そして、あっというまに通り過ぎる。


俺も視線を外す。



そう……思ってたのに。

みく
『海人‼』
みく
『ありがとう』
俺の中で声が聞こえる。


あのロングヘアーも、揺れるスカートも。


あの笑顔も、泣き顔も……。


はっきり覚えてる。


海人
……そう思ってたのに
小さく呟く。


俺の声はお年寄りと子供の声にのまれて消える。




俺は、こんなこと思っちゃだめなのに。









あの日、みくと帰った日。


みくと教室で話したとき。


屋上でも話したな。




あの瞬間。






ーー俺は本気で笑ったんだ。







ずっと忘れていた、




ずっと封印していた、





俺の笑顔を、






みくが思い出させてくれた。



ーーみくを守りたい。














みくの周りに笑顔が溢れるまで



俺は……






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いつも読んで下さってありがとうございます‼


みなさん、たくさんのコメントありがとうございます。


今のところ、兄と先輩が人気ですかね〜。

そしてやっぱりメイド喫茶は強い‼

まだまだコメントは募集しているので、よろしくお願いします!

そして、「学校で……💕」はおもしろい?

小説の感想も待ってます。

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