私だって、普通の女の子なのに。
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小学生のとき。
私はクラスで一人だった。
みんなから特別無視されてるわけではなかった。
でも、話かけると何かと理由をつけて逃げていった。
私が話かけると優しく話してくれる。
だけど、みんなから話しかけてくれることは一度もなかった。
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中学生のとき。
悲惨だった。
誰も話してくれなかった。
小学生のとき、少しは話してくれた子も何も話さなくなった。
友達は一人もいない。
教室で、学校で一人だった。
私、何もしてないのに。
私だって普通の女の子だよ……。
今日もまた、一日の始まりだ。
教室に入ろうとしたとき、中から話声が聞こえてきた。
私は逃げ出した。
何で何で何で何で何で……‼
何もしてないじゃない……。
ただ、あなた達と同じように生きてただけよ。
なのに……
涙が出てくる。
話していた女の子の一人が、小学生のとき少し話してくれた女の子だった。
ずっと、そう思ってたの?
ひどい……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。