ーー次の日ーー
昨日、お兄ちゃんとやりすぎてしまった。
腰が痛い……
まあ、すぐ収まるか。
腰を抑えながら、HRの先生の話を聞く。
え〜っ‼?
みんなの驚きの声が教室に響く。
そりゃそうだ。
今日は6月9日。
転校生なんて珍しすぎる。
何で、こんなときに……
ガラッ
今日のドアが開く。
そして、入ってくる一人の男子。
あの髪……
青っぽくて、澄んでて
なぜか目が離せなくなってしまう……
昨日の男子だ
自己紹介はそれだけで終わった。
私の後ろだ。
彼が近づいてくる。
横目でチラッと私を見て、後ろの席へ座った。
とても綺麗な顔立ちだった。
髪は深い青だけど、目は少し黄色がかった色をしていた。
でも、どこか黒くて……
髪にも、目にも、彼にも……
なぜか惹きつけられるーー
ーー休み時間ーー
思った通り、宇治屋の周りには女子が集まっていた。
でも、宇治屋はまったく反応しない。
ずっと、読書をしている。
なぜか、私はムカムカしていた。
そうして、同じような休み時間が続き、今日は終わった。
海人をセフレにしなくていいと思ったのは、
ムカついたからじゃなくて、
本当は……
本当は……
海人を傷つけたくなかったんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。