第90話

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2018/12/28 12:03
みく
は……はぁ?
す、好き?////
そうだよ
俺はずっとみくが好きなんだよ
みく
ずっとって、いつから……?
中学の時から!
俺はずっと、みくを女として見てきたんだよ
頭が追いつかない。


お兄ちゃんが私を好き?


そんなこと、あるはずない。


だって、ずっと一緒にいて。


ずっと一緒に育ってきて。


ずっと家族として兄弟として過ごしてきて……。
みく
わ、わかんないよ!
何で……私のことなんか
みくの全部が好きなんだよ!
誰にも渡したくなんかないし
胸が震える……。


何で……そんなに。


きっとお兄ちゃんだってわかっているはず。


こんなこと、普通じゃありえないこと。


兄弟で恋なんておかしいってこと。


もし、みんなにバレたら引かれること。


全部全部、わかってるはず。


それでも私に言ってくれてる。


「好き」って。


お兄ちゃんじゃなかったら、素直に喜べたのかな?


お兄ちゃんだから……兄弟だから……


お兄ちゃんの言葉が


ただただ……苦しいよ……。
みく
わ、私はお兄ちゃんのこと兄として見てたから……
そんなの知ってる
それでもやっぱり好きだった
……バカよ。


胸の震えが止まらない。


普通、人が好きになるのって


自分のことを嫌っていない人。


どれだけその人に憧れて惹かれても、その人が自分のことを無視したり嫌っていたら、きっと好きにはならないだろう。


相手が自分のことを好いてくれてるから好きになるってあるじゃない。


お兄ちゃんはもし私に好きって伝えて、嫌われるって思わなかったのかな?


もし、私に嫌われても好きでいてくれるのかな?


自分になんの得もないんだよ?


それなのに……お兄ちゃんは。


お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなかったらよかったのに……。


そしたら、今までの言葉どれだけ喜んで受け取れたのかな……?


そしたら、私もお兄ちゃんに恋できたのかな……?


こんなに優しくてかっこよくて自慢のお兄ちゃん。


バカでいつもいじめてくるけど、最後には笑ってて。


私だってお兄ちゃんの良いところ全部知ってる。


私もお兄ちゃんが好きよ。


大好き。


大切でずっと一緒にいたくて。


お兄ちゃんが苦しんでたら一番にかけつけて、抱きしめたいし。


泣いてたら寄り添ってあげたいし。


嬉しいときは一緒に喜びたいよ。


そう……思ってる。


大好きで大好きで……。


でも……この大好きは……。












ーー『恋』じゃない。













私とお兄ちゃんは血が繋がってるの。


漫画みたいに実は繋がってないとかないの。


私もお兄ちゃんも同じお母さんとお父さんから生まれてきたの。


私達は兄弟なの。


それはどうやっても変えられない現実。


ごめんね……。
みく
私はお兄ちゃんのこと……そんな風に見てないよ
じゃあ、見させてやるよ
みく
えっ……!??ちょ……
お兄ちゃんが私の手首を引っ張り、私をベットに放り投げる。


私はベットに転がる。
みく
ダ……メッ!お兄ちゃんっ!!
お兄ちゃんが近づいてくる。


ダメよ……もうしないんだから。


私は覚悟をきめる。


私はもう逃げられる。


強くなったんだから。


私は逃げようと思い、足に力をいれる。









そのとき……





お母さん
やめなさいっ!






ドアが突然開いた。


その向こうにいたのはお母さんだった。








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