第159話

クリスマス
20,310
2019/07/14 11:10



愛音ちゃんと話していたこともあって、約束の場所に着いたのは、10分前だった。

それでも、まだ海人は着いていなかった。

私は近くのベンチに腰掛ける。

太ももが一瞬ひやりと冷たくなった。

鏡を取り出して、もう一度容姿を確認する。

さっき、少し髪が乱れちゃったな〜。

ちょんちょんと前髪を整える。

よし……だいじょ












海人
みく、お待たせ
みく
うわっ!!??海人っ!

私の頭上から低い声がした。

ガバッと顔を上げると、そこには海人がいた。

海人だ……。

今日は髪をセットしてる。

私の大好きな「海色」の髪が、さらにかっこよくなっている。

ジーンズに白のニット。

そして、黒のコートが海人をクールに見せていた。

……ヤバイ。

かっこよすぎるよ////



みく
あっの……えっと……
かっこいい…ね
海人
みくも可愛い
みく
えっ……!//////


えっ……え!!!!

か……可愛い??

カ・ワ・イ・イ!?

海人が可愛いって言ってくれた?!

ど……どうしよう!?

自分でもわかるくらい、頬が熱い。

照れて、海人の顔が見られない。

だって、それぐらい。

好きな人に褒められたことが。

嬉しかった。
海人
ほら、みく行こう


海人が手を差し出す。

……今日はクリスマスだもんね。

魔法がかかってるの。

みく
うん!


私は海人の手に自分の手を重ねる。

指と指が混ざり合う。

海人の手は予想以上に大きかった。

……この手に何度も救われたんだよな。

そんな手と私の手が重なっている。

それは、どれだけ素晴らしいことなんだろう。

大好きな人と両思いになれて。

大好きな人と笑いあえて。

大好きな人と手を繋げる。

きっと、それはものすごく難しいこと。

『奇跡』だね。



私は海人とクリスマスに彩られた街を歩いた。

恋人つなぎをして。

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