前回来た時、カレのアパートが温水洗浄便座付きのトイレじゃない事は確認してた。
だから、もしそういう雰囲気になったら、ちゃんとゴム使わなきゃなって思ってた。
その前に、カレがそこまでしたがるかわからなかった。
そこまで……肛交、ってことだけど。
男どうしでも、それを嫌がる人は嫌がる。
マスターベーションの延長感覚で、しごき合うまではできても、オーラルやアナルは、ハードルが高いのも知ってる。
だからオレは、前回カレが口を使ってくれただけで、かなり嬉しかったし、満足だったんだ。
ごちゃごちゃ考えて不安になった後だったから、オレから積極的に攻めた。
手でも、口でも……。
「待って?」
舌を使いながら、カレ自身を飲み込むように唇でしごき出したら、いきなりオレの頭をつかんできた。
ディープスロートして欲しいのかと思って、更に飲み込むように喉を使おうとしたのに、腰を引いて引き剥がされる。
飲み込めなかったヨダレが、カレの屹立にからんだまま落ちていく。
オレが、なんで?って顔してたのか、カレは顔を赤らめて苦笑した。
「待って。
快過ぎて、出てまう」
だよな!
オレ、うまいって言われてたもん。
心の中で快哉(かいさい)を叫んでたら、オレの両脇をつかんで体を持ち上げられ、向き合う形でカレの太ももをまたぐように座らせられた。
両脚でカレの腰をはさむから、開脚してる。
しごき合うのかな?って思ってたら、口に指を入れてきたから、しゃぶる。
目を開けてカレを見たら、まぶしそうな顔。
「夢やなかったんやな」
まだ言ってる!
オレは入れられた指を甘噛みしてやった。
いいかげん、現実を知れ!
カレは指を抜いて甘いキスをしてきた……と思ったら、オレの後ろを触り出すから、驚いて思わず体が逃げる。
でも、いつの間にか、しっかり腰に回ってた左腕が、オレの体を抱き止めて逃がさない。
キスも、オレの舌を誘い出してきつく吸うから、やっぱり逃げられない。
そこ。
シャワーもしてないのに、カレの指を汚したらどうしよう。
恥ずかしさと心配で半分パニックになってるのに、こっちの気も知らず、カレは思う存分指を使ってくる。
入口にオレのヨダレを塗り広げながら、少しずつ指を潜り込ませ、つるつるした腸壁を確認するように動かす。
ぬめりが足りなくなると、オレの分身からこぼれる先走りをすくってまた触る。
そのうち、指が、目当ての膨らみを探り当てた。
オレの体がビクビク跳ねたから、わかってしまう。
「んーっ、ん」
てのどを鳴らしたらようやく唇が離れた。
「あめてぇ?」
キツく吸われてた舌が痺れてすっかり声が裏返り、ちゃんと、やめて、って言えない。
「まだキツそうだけど。
初めてです?」
なんで今、聞くのかな?
初めてだって言ったら許してくれんの?
初めてじゃなかったらどうなんだ?
答えずにいたら、ベッドサイドから何かを取って、オレの背中で手にこぼし、オレの穴と自分の分身にまぶす。
透明なジェル?
「ローションやゴム、用意できてなくて、すんません」
荒い息をしながらそう言って、オレの体を持ち上げ、膝立ちさせると、オレの後口に屹立を当てて揺すってくるから、じわじわと入ってくる。
「あめ、きやな……あっ、あっ、あ」
だめ、って言いたいんだよ。
汚い、って。
でも、聞いてくれない。
そりゃそう。
舌が痺れて、何言ってんのか、わかんないもんな。
太い異物に貫かれて、少しずつ侵入を許してしまい、気付くと全てを飲み込んでいる。
カレはオレの頭を庇って、そのままベッドに押し倒し、オレの両脚を抱えて腰を動かし始めた。
ギリギリまで引き抜いて、ペニスの先で腹側の腸壁をなぞるように何度も動くから、快感が体を駆け上がる。
カレが抽送の合間にオレの乳首を吸う。
舐めて吸ってかじられたから、抑えようとしても、アンアン声が出る。
オレのペニスは、触られなくてもカレが終わるまでに、いつの間にか押し出されるように射精していた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。