ピッピッピ……
鳴り響く心電図音
静まり返る病室
みんなが囲むベッドの中ではあなたは眠っていた
あなたの体に繋がれたたくさんの管
痛々しさを表す無数のガーゼ
そんなあなたの姿に
誰も言葉を発することは出来なかった
コンコンッ
そんな空気を温めるようにやってきたのは
事務所の社長
そしてあなたを拾った仮の親であるジャニーさんだった
そういって樹の肩に手を置くジャニーさん
樹はそのジャニーさんの手から
かすかではあるが温もりを感じ
今までの気持ちを優しく包んでくれるような感じがし
どこか助けられたような気がした
そして続けざまに話し出したジャニーさん
その言葉を聞いたメンバーは
どこか覚悟したような表情で
ジャニーさんの方へと体を向けた
"SixTONESの活動"
その言葉が心電図音とともに病室に響き渡った
メンバーの耳にはしっかりと届いているが
その答えを出すまでの処理に間に合わなかった
みんな黙り込み なかなか答えを出せないでいた
あなたを眺め 自分たちはこれからどうすべきなのか
彼ら自身の中でそれぞれ答えを探していた
その様子を見たジャニーさんは
病室のドアへと向かいながら
呟くように言葉を放った
そう言って病室を出ていくジャニーさん
答えを出せないでいたみんなの脳には
ジャニーさんの言葉が矢のように飛んで入ってきた
"一択"
その一択が何なのか
彼らの脳はさらに混乱状態へと陥った
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!