第87話

知らない人
1,427
2020/09/11 13:43
田中 樹
田中 樹
え、知らない人なの……?











意外な返事



でも知らない人の写真なんて飾るはずがない



そう思った樹はあなたに質問を続けた









田中 樹
田中 樹
え、全く知らない人なの……?
あなた

全くってわけではないですけど……笑

田中 樹
田中 樹
写真を飾るぐらいだし、何か特別な人……?
あなた

特別…… とりあえずリビングに行きましょ笑 コーヒー入れたのでそれを飲みながらでも話しますよ












そう言ってその男の子が写った写真を持って部屋を出ていったあなた



樹はそんなあなたの後に続いて部屋を出た


リビングにいくと机にコーヒーが置いてあり



入れたてなのか湯気がたくさん上がっていた



席に着くとあなたはすぐに写真の男の子について話し出した









あなた

この人は私の記憶では小さい頃に遊んでくれた人なんです

田中 樹
田中 樹
遊んでくれた?
あなた

はい なので近所の子だったんでしょうかね?笑

田中 樹
田中 樹
かねって笑











確かに写真に写っている男の子はずいぶんと若く見える



若いというより子供だった









田中 樹
田中 樹
なんでその子の写真を飾ってるの?











樹が1番聞きたかったとこ



"なんで飾っていたのか"



その質問を受けると



あなたはその写真を眺めたまま答えた









あなた

私の1番の楽しい記憶だったからです

田中 樹
田中 樹
……っ











一気に重たくなった空気



樹は質問をしてしまったことへの責任を感じ始めた









田中 樹
田中 樹
もう1つの写真に写っていたあなた、すげーいい笑顔で可愛かった
あなた

ほんとですか?笑

田中 樹
田中 樹
おう……///











樹なりの精一杯の愛情表現



"そんなことない"



その言葉が樹の口からは出なかった









あなた

なんか変な空気になっちゃいましたね笑

田中 樹
田中 樹
あ、おう……なんかごめんな……笑
あなた

謝らないでくださいよ笑












コーヒーを飲み終えたあなたは



重たくなった空気を換えるようにコップをキッチンにさげた



そんな中樹は さっきの写真を眺め



しばらくその場から動けなかった










あなた

樹さーん!布団を出すので手伝ってもらってもいいですかー?

田中 樹
田中 樹
え……あ、おう!











あなたの声で現実世界へと戻ってきた樹は



必死に布団をだしているあなたの元へと駆け寄った


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