意外な返事
でも知らない人の写真なんて飾るはずがない
そう思った樹はあなたに質問を続けた
そう言ってその男の子が写った写真を持って部屋を出ていったあなた
樹はそんなあなたの後に続いて部屋を出た
リビングにいくと机にコーヒーが置いてあり
入れたてなのか湯気がたくさん上がっていた
席に着くとあなたはすぐに写真の男の子について話し出した
確かに写真に写っている男の子はずいぶんと若く見える
若いというより子供だった
樹が1番聞きたかったとこ
"なんで飾っていたのか"
その質問を受けると
あなたはその写真を眺めたまま答えた
一気に重たくなった空気
樹は質問をしてしまったことへの責任を感じ始めた
樹なりの精一杯の愛情表現
"そんなことない"
その言葉が樹の口からは出なかった
コーヒーを飲み終えたあなたは
重たくなった空気を換えるようにコップをキッチンにさげた
そんな中樹は さっきの写真を眺め
しばらくその場から動けなかった
あなたの声で現実世界へと戻ってきた樹は
必死に布団をだしているあなたの元へと駆け寄った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!