食事を済ませ お店を出た2人
外は小ぶりの雨が降っていた
2人が別れようとしたその瞬間
前からやってきた人に気づかずにぶつかってしまった
ぶつかった相手が海人と気づいた時
すぐにその場から去ろうとするあなた
だが 海人に掴まれた手によって
男性の力には適わず
その場から逃げることは出来なかった
なかなかあなたの腕から離れない海人の手
下を向くばかりのあなた
その様子を眺めているだけの北斗
雨の降る音だけが響いていた
返事をしないあなた
その様子を見かねた海人はため息をついた
海人が北斗の方を見て気が抜けた瞬間に
海人の手から抜けるあなたの腕
その言葉と共に雨の中消えていくあなたの姿
あなたの温もりをまだ感じる海人の手に
だんだんと冷たい雨が降り注いでくる
軽くお辞儀をして帰っていく海人
その後ろ姿は 先ほどのあなたと同じように
悲しみのオーラに包まれているようだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。