次の日
迎えに来てくれている車に乗り仕事場へと向かった
その途中 バッグの中にあった携帯が振動した
山田さん"久しぶり!今日の夜とか用事あるかな?
ドラマのみんなでご飯に
行こうと思うんだけど"
この前のやり取りで終わっていた山田くんからのメッセージ
内容は 前に話していたドラマの出演者メンバーとの食事のこと
あなたはどうしようか悩んでいた時
車が止まって ドアが開いた
乗ってきたのはメンバーの田中樹だった
挨拶をしてきた樹はあなたの隣に迷わず座った
会話が途切れ あなたは携帯へと目を戻した
あなた"予定は何も無いですよ!
何時にどこに行けばいいですか?"
返事の文章を入力し 送信ボタンをおそうとした時
隣に座っている彼がそれを妨げるように話し出した
タイミングのいい彼からのお誘い
肩と肩がぶつかり合うほど近い彼には
携帯が横目に見えることもある
あなたはこれは試されているのか
それともただただ普通のお誘いなのか悩み
送信ボタンを押すのをためらった
ずるいセリフ
だがこの言葉には樹なりの勝負心があった
あなたから出た答えは "明日"
その言葉を聞いた樹は
自分の所に来てくれなかったのが悔しかったのか
分かりやすく落ち込んだ
そう言って彼は イヤホンをつけ
自分の世界へと入った
彼の言動や様子に疑問を持ちながらも何も言わないあなた
山田さん"18時に渋谷の○○という店に来てくれる?"
そんな先輩からのメッセージに心をはずました
そんなあなたは 樹の様子なんて気づくはずもなかった
だが 樹の本当の思いには この時知ることはなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。