第89話

思われる・思われない
1,360
2020/09/15 11:41



次の日の朝



珍しくカーテンから差し込んでくる太陽の光で目が覚めた樹



ふと隣を見ると あなたはぐっすりと寝ていた










田中 樹
田中 樹
はぁ…… 俺はあなたの助けになっているのかな……











あなたの寝ている姿を見ると



自分の今までの行いに対して考えた



あなたの事を知ってきた時



心の中で"あなたを守る"と決めていたが



今の自分を見て しっかりと出来ているのか不安になった



樹"なぁ北斗、お前は自分があなたの助けになってると思うか?"



不安になった樹はその思いを北斗にぶつけた










あなた

ん〜…… あ、おはようございます

田中 樹
田中 樹
おはよ











そんな不安について考えていると



隣で眠っていたあなたが目を覚ました



携帯をいじっていた樹は



その携帯をすぐに床に隠すように置いた










あなた

今何時ですか……?

田中 樹
田中 樹
今は9時ぐらい
あなた

ありがとうございます……

田中 樹
田中 樹
今日仕事は?
あなた

1時に、マネージャーさんが迎えに来ます……

田中 樹
田中 樹
あ、今日はグループでの仕事か笑
あなた

はい……

田中 樹
田中 樹
眠そう笑
あなた

今起きた、ばっかですからね……笑

田中 樹
田中 樹
そーだね笑











寝ぼけながらも洗面所へと向かうあなた



そんな姿に愛おしさを感じたのは樹だけの秘密



そんな事を想っていると携帯が震えた




北斗"なんだよ急に またお前なにかしたのか?"










田中 樹
田中 樹
だからなんもしてねぇよ笑











樹"いや、あなたの姿見てふと思っただけ"



北斗"は?お前泊まったのか?"



樹"おう あなたが泊まってけって言うから"



北斗"お前……変なことしてねぇだろーな?"



樹"だからなんもしてねーって笑"



そんなことをメッセージでやり取りしていると



向こうから樹を呼ぶ声がした










あなた

樹さん、朝ご飯何食べますか?

田中 樹
田中 樹
なんでもいいよー
あなた

んー……じゃあフレンチトーストでも作りますか笑

田中 樹
田中 樹
いいじゃん笑 出来たら呼んでよ、俺ちょっとここにいるわ
あなた

はーい












そう言って部屋からあなたが出ていったのを見送ると



樹はある人に電話をかけた










田中 樹
田中 樹
あ、もしもし
松村 北斗
松村 北斗
なんだよ朝から
田中 樹
田中 樹
いや、さっきの話をしようと思って
松村 北斗
松村 北斗
あなたは?今いねーの?
田中 樹
田中 樹
朝ご飯作ってくれてる
松村 北斗
松村 北斗
お前、なんか彼氏みたいだな
田中 樹
田中 樹
本当にそーだといいんだけどな……
松村 北斗
松村 北斗
ん?なんか言ったか?
田中 樹
田中 樹
いや、なんでもない……笑
松村 北斗
松村 北斗
そっか











寝起きとは感じられないテンションの低さ



そんな樹のテンションに北斗は何かを感じた










松村 北斗
松村 北斗
なにかあったのか?
田中 樹
田中 樹
いや…… 北斗はどー思うんだよ
松村 北斗
松村 北斗
何が?
田中 樹
田中 樹
さっきの質問について
松村 北斗
松村 北斗
んー、そーだなー……











北斗が語った内容は



樹の心に大きく響いた
















"助けになってる・なってない って思われるよりも
助けをするってことが大事なんじゃないのか?"

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