目の前には美味しそうに焼かれている肉
個室に響く肉の焼ける音
2人はあなたの病院を出て
北斗のチョイスで焼肉屋に来ていた
なんで焼肉なんだよ……笑
スタミナがつくだろ ほら、しっかり食べろ
いや、こんな食えねーって
知らねーよ のせとくからな
ありすぎだろ……笑
食欲がないのか
手がなかなか進まない樹に対して
遠慮なく肉を焼き
遠慮なく焼いた肉を皿に盛る北斗
北斗なりの精一杯の振る舞いだった
なに、思い出す?
やっぱり……わざとだろ
わざとじゃねーよ笑 近い焼肉屋がたまたまここだったってだけ あなたも来てるみたいだろ?
……んなことねーよ
そう 北斗が連れてきたのは
メンバーみんなで始めてきた焼肉屋だった
あなたが初めて焼肉屋に来た日
あなたの美味しそうに食べる姿が
樹の脳から離れなかった
そのせいか 樹の様子は負のオーラに包まれたように
くらい様子だった
はぁ……あのさ樹
なに……?
悲しいのはお前だけじゃないんだよ
分かってるよ……
悲しむなとは言わない 自分を責めるなとも言わない だけど、そのオーラを何とかしろ
オーラ?
"悲しんでるので話しかけないでください"チックな負のオーラがすごいぞ
……
仕事でもずっとそんな様子だと、周りのみんなも困るだろ 実際に、さっき病室に来てくれた海人だって、入ってきた時は普通な感じだったのに徐々に暗くなっていったじゃねーか
それは……ごめん
樹はその場にいたし誰よりも悲しんでしまうのはわかる ご飯も食えなくていい、1人でいる時はその様子でいてもいい けどな、誰かと話したりする時はせめていつものお前でいろ じゃねーと周りにまで負のオーラが伝わる
分かった……
そんな感じでずっと暗いと、あなたも起きた時ビックリするぞ?笑
え……?
いくらあなたでも、目覚めた時に負のオーラがに包まれた樹に会いたくねーだろ笑
まぁ……笑
だから、少しは前向きに 明るくなれ じゃなきゃ今度はお前が潰れる
おう……ありがと……笑
樹の元気も 少しではあるが取り戻し
これからあなたの為にしっかりしていこう
そう心に決めた2人
さっきよりもスピードが上がり
お皿に盛ってあった肉も気がつけばなくなっていた
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