映画も終わり



感想を言い合いながら出てくる北斗とあなたに



その後ろを怖がりながらゆっくりついて行く樹



映画に誘った人が一番ビビる事にツボった2人は



樹を見ながら笑っていた

そんなお腹がすいた樹が向かったのは



たくさんのお店が並んだフードコートだった

それから北斗は



フードコートの中でもあまり人目のつかない端の席へと座った



北斗の向かい側に座ったあなたは



カバンからジュースを取りだし水分補給をした

そう言ってトイレに向かう北斗



あなたはその後ろ姿を見送ったあと



携帯を取りだし最近ハマった音楽を聞き出した



"向かい風の中で〜♪"



あなたにとってこの曲の歌詞が自分の励ましとなり



仕事の前や疲れたときに聞いていた

そんなことを思いながら携帯をいじっていると



一通のメッセージが来ていたことに気がついた



山田さん"不安だよね笑 ちなみに今日は何してるの？"



同じドラマに出演する先輩の山田くんからのメッセージ



随分時間が過ぎていたことに気がついたあなたは



慌てて返信をした



あなた"今日は特に何もしていませんよ！笑"



気を使って遊びに出ていることを隠したあなた



先輩からの返信はすぐに返ってきた



山田さん"そっか笑 そう言えば、みんなとの食事はいつにしよっか？"

そんな予定があったことを思い出したあなたは



自分の予定を見ようとカバンからスケジュール帳を取り出そうとした

慌てて取り出そうとしたあまりに



カバンにひっかかってスケジュール帳があなたの手から飛んで行った



ふと床に落ちたスケジュール帳を拾おうと下に手を伸ばした時



スケジュール帳の少し先に人の足が見え



誰かが立っていることに気がついた

スケジュール帳を拾い



誰がたっているのか見ようと顔をあげたあなた

それは



ご飯を買いに行った樹でも



トイレに行った北斗でもなく

全く知らない人だった